リオティント 2022年度第3四半期生産実績を発表
2022/10/18
リオティントは、2022年度第3四半期の生産実績を発表しました。
リオティントCEOのヤコブ・スタウショーンは、今期の生産実績に関し次のように述べています。「当社が持つアセットの潜在的能力を最大限に引き出していくことは、引き続き当社にとっての優先事項です。今期は前四半期と比べ、ほぼ全ての事業現場、特に、リオティント・セーフ・プロダクション・システム(RTSPS)を導入した現場において生産性が向上しました。また、卓越した開発目標においても大きな進捗を遂げ、いくつかの主要プロジェクトにも着手することができました。豪州ピルバラ地区における鉱山開発においては、、中国の宝鋼集団と合弁事業設立で合意し、ウエスタンレンジ鉄鉱石プロジェクトの次の段階の開発を進めます。イーストピルバラ地区のローズリッジ鉱区においては、パートナー各社と合弁事業の近代化で合意し、この大規模で高品位な鉄鉱石資源の開発への道筋をつけることができました。さらに、米国ユタ州のケネコット銅鉱山での坑内掘り開発に必要な成長資金を承認し、アルゼンチンのリンコン・リチウムプロジェクトでは初期の準備作業を開始しました。そして、オユトルゴイ・プロジェクトも前進させることができました。さらに、カナダのターコイズ・ヒル・リソーシズを非公開企業とする当社の提案に対してターコイズ・ヒルの取締役会は満場一致で支持し、株主に対して当社提案の受け入れを推奨しました」。
「当社は引き続き脱炭素化を戦略の中心に据えて事業の成長、脱炭素化を進めます。先週、カナダ政府とのパートナーシップを発表し、ケベック州のリオティント・フェル・エ・チタン事業の脱炭素化と、同事業をクリティカルミネラル(重要鉱物)処理プロセスの中核拠点として発展させるため、今後8年間で最大7億3700万カナダドルを投資することを決定しました。さらには、堅実な資本配分を維持し、魅力的な配当の支払いを継続してまいります」。
「当社では、社内文化を改革し、社会からの信頼を再構築し、そして、エブリデイ・リスペクト・レポートの勧告を受け入れるため、行動を起こしております。また、コミュニティおよびソーシャルパフォーマンスの実践に関する活動状況の進捗レポート第2弾を発行します。 同レポートには、伝統的土地所有者の皆様からいただいた数多くのフィードバックが反映されています。今回は7つの伝統的土地所有者グループからフィードバックを受けることができ、その数は2021年の4 グループから増加しました」。
生産量* |
2022年第3四半期 |
前年同期比 |
前期比 |
|||
ピルバラ鉄鉱石出荷量(100%ベース) |
百万トン |
82.9 |
-1 |
% |
+4 |
% |
ピルバラ鉄鉱石生産量(100%ベース) |
百万トン |
84.3 |
+1 |
% |
+7 |
% |
ボーキサイト |
百万トン |
13.7 |
-2 |
% |
-3 |
% |
アルミニウム |
千トン |
759 |
-2 |
% |
+4 |
% |
銅鉱石 |
千トン |
138 |
+10 |
% |
+9 |
% |
チタンスラグ |
千トン |
310 |
+48 |
% |
+6 |
% |
IOC鉄鉱石ペレットとコンセントレート |
百万トン |
2.8 |
+28 |
% |
+7 |
% |
- 特に記載のない限りリオティントの持分
2022年第3四半期事業におけるハイライトと、その他の重要な発表
- 前四半期において、当社管理下にある事業拠点での死亡事故ゼロ期間が4 年を超えましたが、0.43という全傷害発生頻度(AIFR)は、前年同期 (0.40) および前四半期 (0.36) より悪化しました。リオティントでは、従業員および当社が事業を行っている地域社会の安全、健康、福祉に対する配慮を、引き続き優先してまいります。
- ピルバラでの事業は、第 3 四半期に 8,430 万トン (100% ベース) が生産されましたが、これは前年同期1% 増で前四半期より7% の増加となりました。これはグダイダリおよびローブバレーで試運転と増産を継続したことによるものです。出荷量は、ヤンディクイジーナ線とグダイダリ線での想定外の鉄道運行停止にも関わらず、 8,290万トン (100% ベース) で、前年同期比では1% 減となった一方で、前四半期より 4% 増加しました。通年での出荷量に関する見通しは、3 億 2,000 万から 3 億 3,500 万トンとする期初ガイダンスの下方部を予定しています。
- 9 月 14 日、当社は中国宝鋼集団有限公司との間で、ピルバラのウエスタンレンジ鉄鉱石プロジェクトに関する合弁事業の締結に合意したことを発表しました。同合弁会社は、この鉱山の開発に 20 億ドル (リオティント持ち分 13 億ドル)を投資します。ウエスタンレンジの年間生産能力は 2,500 万トンで、ピルバラ・ブレンドの生産維持に寄与します。開発工事は 2023 年初めに開始される予定で、生産開始は 2025 年を予定しています。なお、宝鋼との提携の実施に向けては、、リオティントの株主、豪州政府、中国政府規制当局、および西オーストラリア州政府からの承認等を含む、一連の前提条件の充足が今後必要となります。
- 当社は、ライト・プロスペクティング社と共同で、西オーストラリア州イーストピルバラ地区にあるローズリッジ鉱区を対象とした合弁事業を近代化することに合意しました。本合弁事業は、1972年に締結された両社間の既存契約を更新し、リオティントが保有する鉄道・港湾・電力インフラを活用したローズリッジ鉱床開発の道筋を提供するものです。両社は、リオティントが実施する初期調査を開始し、関係当局の承認を得た上で、今後10年以内に年産4,000万トンの初期生産能力を持つ操業の開始を検討する予定です。
- ボーキサイト生産量は1,370万トンで、前年同期比 2% 減となりました。これは、ゴーブ での生産設備における信頼性の問題の影響によるものです。
- アルミニウム生産量は80万トンで、前年同期比2%減でしたが、前四半期と比べて4%増加しました。これはキティマット製錬所の増産が継続されたこと、また、ボイン精錬所の製錬炉の復旧作業が、計画通りに進んだためです。キティマット製錬所の製錬炉の再稼働は進んでいる一方で、当四半期はアルミナのコンベアシステムの構造的な問題により、再稼働できる製錬炉の数は減少しました。2023年中の完全復旧に向け、引き続き注力してまいります。
- 銅鉱石の生産量は13万8,000トンで、前年同期比10%増となりました。これは、米国ユタ州ケネコットでの鉱石の品位・回収率の向上によるものですが、オユトルゴイでの採掘計画の変更による品位と回収率の低下により、総生産量が一部相殺されました。銅地金については、2023 年の第 2 四半期にケネコットで予定されている9年ぶりの大規模なメンテナンス作業が完了するまで、製錬および精製能力にはさらなる下振れリスクがあることを考慮して、銅地金の生産量予想範囲はを19万トンから22万トンに修正しました(以前は23万トンから29万トン)。
- 同9月27 日、当社は、ケネコット銅事業での坑内採掘の開始および生産拡大に向けた開発資金として 5,500 万ドルが承認されたことを発表しました。坑内掘りの初期段階ではLower Commercial Skarn (LCS)と呼ばれるエリアに注力し、露天掘り操業と並行しながら2027 年までに合計約 30,000 トンの銅を生産します。坑内掘りによる鉱石の生産開始は 2023 年初頭に予定されており、同年下半期にはフル稼働となる予定です。ケネコットでは、坑内採掘用のバッテリー式電気自動車の試運転を行っており、従業員の健康と安全の向上、生産性の向上、そして将来的には、坑内採掘にて使用される鉱山車両から排出される二酸化炭素の削減が期待されます。
- 9 月 5 日、当社は、現在はまだ所有していない ターコイズ・ヒル・リソーシズ の残りの全株式を取得するため、株主の承認を条件として拘束力のある契約を締結しました。この取引は、ターコイズ・ヒルの少数株主に多大な価値をもたらすもので、1 株あたり 43 カナダドル(総額 33 億ドルの対価)が全額現金という確実な方法で提供されます。さらに、オユトルゴイ・プロジェクトにとっても、長期的な成功に向けた資金調達の確実性を高めるものです。
- チタンスラグの生産量は31万トンで、前年同期比 48% 増でした。前年度は南アフリカのリチャーズ・ベイ・ミネラルズ(RBM) で地域社会の混乱による影響があったこと、そして今期はカナダのリオティント・フェル・エ・チタン(RTFT) での操業が継続的に改善されていることが改善要因としてあげられます。
- アイアン・オア・カンパニー・オブ・カナダ(IOC)のペレットとコンセントレートの生産量は、前年同期比 28% 増でした。これは、生産能力の改善と、6月に計画されていた7日間の年次メンテナンス作業が予定通り完了したことによるものです(昨年の年次メンテナンス作業は9月に実施されました)。
- 当四半期で、リオティント・セーフ・プロダクション・システム(RTSPS) の導入を開始してから 12 か月を迎えました。現在、13 の現場で 22 件が展開され、67 件の短期改善プロジェクト (カイゼン)が完了または進行中です。 2022 年の目標である 15 の現場における30件の展開に向け、順調に推移しています。
- 第3 四半期には、ボルボグループやフォードモーターカンパニーとの戦略的パートナーシップの締結など、さらなるパートナーシップを推進し、当社の事業とバリューチェーンの脱炭素化に向けた取り組みを進めました。また、購買力とサプライチェーンを活用してゼロカーボン技術の商業化を支援するための世界的なイニシアチブである、ファースト・ムーバーズ・コアリション(First Movers Coalition) にも参加しました。
- 10月11日、当社は、カナダ政府とのパートナーシップを発表し、ケベック州のリオティント・フェル・エ・チタン事業の脱炭素化と、同事業をクリティカルミネラル(重要鉱物)処理プロセスの中核拠点として発展させるため、今後8年間で最大7億3,700万カナダドルを投資することを決定しました。同パートナーシップの下で、低炭素イルメナイト製錬技術であるブルースメルティングの開発、スカンジウムの増産そしてチタン金属を当社のポートフォリオに追加することが進められます。また、カナダ政府は、戦略的革新基金を通して今後8年間で2億2,200万カナダドルを投資します。同基金は、大規模で変革的かつ協働的な案件を支援し、グローバルな知識集約型経済におけるカナダの繁栄を後押しするものです。なお、本件による当社の資本ガイダンスへの影響はありません。
- 7 月 20 日、当社は、係争中のすべての税務問題について豪州税務局 (ATO) と合意に達したことを発表しました。この合意の一環として今年8 月に、 2010 年から 2021 年までの期間に対する 6 億 1,300 万豪ドルの税金をATOに追加で支払いました。この期間に当社は、豪州において総額約 800 億豪ドルの税金とロイヤルティーの支払いを行ったことになります。
- 8月 2 日、当社は米ロイヤルゴールド の直接完全子会社である RGロイヤルティーズ に、米国ネバダ州のコルテス鉱山の操業地域と フォーマイル開発プロジェクトを含む地域の採掘権を、現金 5 億 2,500 万ドルで売却しました。
- 10 月に、当社はカナダのウラニウム・エナジー・コーポレーション(UEC)との間で最終契約を締結しました。これによりUEC は、カナダのサスカチュワン州にあるラフライダーウラン開発プロジェクトの 100% を取得します。この対価として、UECは総額 1 億 5,000 万ドル(8,000万ドルの現金と7,000万ドルのUEC株式)を当社に支払います。本取引は10月14日に完了しました。
- 9 月 29 日、当社はエナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア (ERA)が 2022 年 9 月 26 日に発表した第3者による同社の企業価値評価レポートの内容に対してコメントを出しました。同レポートは、オーストラリアの北部準州で進められるレンジャー鉱山のリハビリテーションという重大なプロジェクトにおいて、大幅なコスト超過とスケジュール遅延への対応を目指す同社の企業価値について評価したものです。当社の一貫した考え方は、同プロジェクトに向けてERAが投入すべき資金の条件は、以下の点を公正に反映したものであるべきだということです:大幅に超過したコストの総額と、その手当てに必要な当座資金の額;調達された資金は、厳格にリハビリテーションのみに充てられ、将来のいかなる開発にも使用されないこと;伝統的土地所有者であるミラー族の人々は、一貫してジャビルカ・ウラン鉱床の開発に反対であると公言していること。
- そして当社は10 月 6 日、この重要なレンジャー鉱山・リハビリテーション・プロジェクトにおける大幅なコスト超過とスケジュール遅延への対処に向け、独立委員会を刷新して新たな視点を導入するという ERA の決定を歓迎する、と発表しました。当社は、隣接するカカドゥ国立公園と同様の環境を回復するための基準に沿ったリハビリテーション・プロジェクトの完遂を支援し、引き続き同プロジェクトに技術的サポートを提供してまいります。
- この報告書に記載されたすべての数値は、未監査です。特に記載のない限り、この報告書に記載されたすべての金額は米ドルであり、コメントはリオティントの生産量持分に関するものです。
リオティントについて
リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場する Rio Tinto plc とオーストラリア証券取引所に上場する Rio Tinto Limited からなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とし、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩他)など人類の進歩に必要不可欠な製品を供給しています。オーストラリアと北米を重要な拠点とし、南米、アジア、欧州、アフリカなど世界で事業をおこなっています。日本はリオティントにとって重要で長期にわたるパートナーです。
お問い合わせ
Media Relations, Japan
奥野雄三 Yuzo Okuno
M +81 (0)90 8502 0774
yuzo.okuno@riotinto.com
Rio Tinto Japan
1 Kojimachi 4, Chiyoda-ku
Tokyo 102-0083
Japan
riotintojapan.com,riotinto.com