リオティント 2022年度の通年業績を発表

2023/02/22

リオティント 2022年度の通年業績を発表

 

リオティントCEOのヤコブ・スタウショーンは今回の業績について、次のように述べています。「私たちはリオティントの事業を強化しつつ、4つの目標の達成に向けて進んでおります。当社のピルバラ鉄鉱石鉱山と鉄道システムにおける下半期の記録的な実績が示すように、操業実績は全社的に改善されました。また、ターコイズ・ヒル・リソーシズの買収を通じてモンゴルのオユトルゴイ銅・金・プロジェクト における当社の権益が倍増し、アルゼンチンのリンコン・リチウム・プロジェクトも前進しました。ピルバラ鉄鉱石事業の長期的な成功を下支えする画期的な契約も合意に達するなど、将来のための投資も行っております」。

 

「当社は、職場文化の革新に向けた永続的な改革の実施に引き続き注力しており、先住民、各地域コミュニティ、そしてその他のパートナーの皆様とのより良い関係の構築に努めています。また、当社のパーパスに沿った、より良い方策を常に模索してまいります。当社がやるべきことは引き続き数多くありますが、現在の進捗には大変満足しております」。

 

「厳しい市場環境にもかかわらず、質の高い保有資産、優れた人材、強固なバランスシートにより、当社は回復力を維持しております。そのため、特別項目調整後の基本EBITDAは263億ドル 、フリー・キャッシュ・フロー90億ドル、税金および政府へのロイヤルティー総額84億ドルを差し引いた特別項目調整後純利益133億ドルという堅調な決算を達成しました。これにより、事業強化に向けた投資を継続しながら、当社の株主還元方針に沿って、総額80億ドル(配当性向60%)の配当支払いが可能となります」。

 

「業績の向上、対外関係の強化、事業の長期的な強化に向けた投資により、当社は魅力的な配当の支払いと、ポートフォリオの維持および発展のための投資を継続的に進めることが可能になると同時に、社会のネットゼロ推進にも貢献していくことができます」。

通期 2022 2021 2020 対前年比 対前々年比
営業活動によるネット・キャッシュフロー(百万米ドル) 16,134    25,345 15,875 (36) % 2 %
有形固定資産と無形固定資産の取得(百万米ドル)    6,750       7,384    6,189 (9) % 9 %
フリーキャッシュフロー1(百万米ドル)    9,010    17,664    9,407 (49) % (4) %
連結売上高(百万米ドル) 55,554    63,495 44,611 (13) % 25 %
特別項目を調整した EBITDA1(百万米ドル) 26,272    37,720 23,902 (30) % 10 %
リオティント株主に帰属する税引後当期純利益(百万米ドル) 12,420    21,094    9,769 (41) % 27 %
特別項目を調整した 1 株あたり利益1 (EPS)(米セント)    819.6    1,321.1    769.6 (38) % 6 %
1株あたり普通配当(米セント)    492.0       793.0    464.0 (38) % 6 %
1株あたり特別配当(米セント)          —       247.0      93.0 (100) % (100) %
1株あたり配当合計(米セント)    492.0    1,040.0    557.0 (53) % (12) %
純現金額1(百万米ドル)   (4,188)      1,576      (664)
使用資本利益率(ROCE)1 25% 44% 27%

*表中の注釈については英文リリースをご参照ください

  • 当社は、安全な職場環境を維持し、甚大な災害を防ぎ、傷害事故を減らすことに取り組んでいます。死亡事故は4年連続でゼロを達成し、全傷害発生率 も40のレベルを保っています。当社の安全に向けたブループリントとして、強固な安全文化の創造に向け適用すべきシステムと行動を定めた安全成熟度モデルを、引き続き実践してまいります。

記録的な業績だった2021年と比較した、2022年の堅実な財務実績

  • 事業活動から生み出されたネット・キャッシュは161億ドルで、前年比36%減でした。これには、事業の基礎的な強さに基づく実績とは見なされない、一過性の項目が含まれており、これにより全体で約20億ドルの営業キャッシュフローが減少しました。(詳しくは英文メディアリリースの(5) ページをご覧ください)90億ドルのフリー・キャッシュ・フローには68億ドルの設備投資額が含まれています。この金額は、推進中のピルバラ鉄鉱石鉱山後継プロジェクト 、特にグダイダリ鉱山の操業が始まったことにより、前年より9%削減されました 。
  • 純利益は、前年比41%減の124億ドルでした。これには市況の変動、エネルギーと原材料価格の上昇のインパクト、ならびに生産コストおよび閉山費用引当金の想定以上の上昇分が反映されています。純利益に対する実効税率は、前年の7%に対して30.9%でした。この増加は主に、米国における繰延税金資産8億ドルの評価損によるものです。
  • 特別項目を調整したEBITDA 263億ドルは前年を30%下回り、マージンは45%でした。
  • 133億ドルの特別項目調整後純利益(特別項目調整後のEPSは6セント)は前年を38%下回りました。
  • 年初に16億ドルであったネット・キャッシュは、年末に42億ドルの純負債となりました。90億ドルのフリー・キャッシュ・フローに対して、株主への117億ドルのキャッシュ・リターン、およびターコイズ・ヒル・リソーシズ(TRQ)とリンコン・リチウム・プロジェクトの買収に要した38億ドルの支払いにより相殺されたことが主な要因です。
  • 年間配当総額は、1株当たり492セントに相当する80億ドルでした。これは、当社の株主還元方針に従い、特別項目調整後純利益の0%に相当します。

 

戦略の実現

  • 当社は、気候変動への対応と低炭素への転換を戦略の中心に据えています。当社の事業の脱炭素化を進め、新しい製品や技術を開発することでお客様の脱炭素化を支援し、エネルギー転換に必要な原料・素材の生産拡大を進めます。当社は事業指針となる4つの明確な目標を通じて、戦略を実現していきます。当社の戦略と4つの目標を前進させることで、世界が必要とする原材料を確実に提供すると同時に、株主利益を最大化し、お客様やその他の主要な利害関係者にとって最適なパートナーとしての地位を強化してまいります。
  • 当社は、各方面から十分評価されるESG実績の達成に向けた確固たる完璧な ESG認証のもと、特に先住民族からの信頼の回復および関係の再構築に軸足を置いた、ソーシャル・ライセンス獲得の努力を継続してまいります。
  • 当社では、全社員が安全で、互いを尊敬し合える、インクルーシブな職場で働くことができるように、2月に公開された当社職場文化についての包括的な外部評価で示されたすべての推奨事項の実施に取り組んでおります。直ちに実行したアクションの中には、2022年に実施した職場リーダー向けの心理的安全性確立のための基礎研修が含まれ、7,000人以上のリーダーのうち、目標の80%を超える91%が受講しました。
  • ジェンダー の多様性は4ポイント増加して22.9%になりました。女性の管理職割合を2ポイント増やすという目標には届きませんでしたが、この増加は、組織のすべての階層でみられ、女性管理職の割合は27.4%から28.3%に増加しました。また、社内の昇進と採用を通じて、先住民族社員の管理職の数を46名に増やしました(2020年11月時点では6名)。
  • 10月には、2回目となるコミュニティ&ソーシャル・パフォーマンス(CSP)進捗報告書を公開しました。これは、取締役会により2020年に作成された文化遺産管理報告書に対応する行動をまとめたものです。CSPには、ピルバラ地区の伝統的土地所有者から直接得られたフィードバックとともに、先住民や社外の利害関係者との関係を再構築するために会社が実施した行動の詳細が記されています。また、ピルバラの鉄鉱石事業に関連する土地について、共同管理モデルへと移行させるため、先住民族との協定を更新しているところです。5 月には、プートゥ・クンティ・クラマ族とピニクラ族(PKKP)の人々と基本合意書に署名しました。これは、鉱山操業が行われるプートゥ・クンティ・クラマ族とピニクラ族の土地を共同管理 するための指針となります。11 月には、2020 年 5 月に発生したジュウカン渓谷の岩窟破壊に関する救済協定の一環 として、PKKP アボリジニ・コーポレーションと、ジュウカン渓谷遺産財団を設立することに合意しました。また、11 月には西オーストラリア州のインジバンディ・アボリジニ・コーポレーションとの契約 を更新し、12 月にはケベック州のペクアカミウルヌアザ・ファースト・ネーションと最初の協定を結びました。
  • 最良のオペレーターを目指すとの目標を達成するため、当社では引き続きセーフ・プロダクション・システム (SPS) の導入を進めています。2022 年のSPS 導入目標は達成することができ、16 カ所の現場で 30件 の導入を実施しました。その結果、これらの現場ではパフォーマンスが向上しました。安全性を継続的に改善し、従業員のエンゲージメントと持続性を高め、グローバルのポートフォリオ全体での生産実績を向上させるために、SPSの導入をさらに進めてまいります。
  • 当社は2022年、以下の重要なマイルストーン達成により、事業開発面でも優れた実績をあげるという目標を、大きく前進させました。
  • 鉄鉱石の新規開発鉱山としては10数年ぶりとなるピルバラ地区のグダイダリから、鉄鉱石を初めて出荷しました。生産量は計画に沿って徐々に増加しており、2023年中には想定年間生産能力となる4,300 万トンに到達し、その規模が維持される見込みです。
  • 当社は、中国の宝武集団有限公司との間で、ピルバラ地区のウエスタン・レンジ鉄鉱石プロジェクトに関する合弁事業の締結に合意しました。年間生産能力2,500万トンのプロジェクトの開発に、20億ドルを投資(リオティント投資分13億ドル)します。同プロジェクトは、すべての主要な環境承認およびオーストラリア政府の承認を受けています。中国規制当局の承認手続きも、計画通り進捗しています。当合弁事業は、事業運用に関する規定がまとまり次第、3月に始動する予定です。リオティントは工事現場の準備作業を開始し、主要な作業契約を発注しました。
  • 当社は、ライト・プロスペクティングと共に、イーストピルバラ地区のローズリッジ鉱区を対象とした合弁計画をアップデートすることで合意しました。両社は初期調査に着手しており、関係当局の承認を得たうえで、2030年までに年産4,000万トンの初期生産能力を持つ鉱山の開発を検討します。
  • モンゴル、オユトルゴイ鉱山のヒューゴノース銅・金地下鉱体では、2022年から19か所のドローベルからの出鉱が開始されました。ドローベル使用開始時期が早まったのは、パネルゼロからの最初の安定的な出鉱予定を2023年第1四半期に前倒しした操業改善計画によるものです。これは、パートナー間の関係修復のベースとなった2022 年 1 月 25 日発表の包括的合意に続くもので、それが今回の坑内掘りの早期操業開始につながりました。
  • 当社はターコイズ・ヒル(TRQ)の非支配株を31億ドルで買収し、同社の非上場化を完了しました。これによりオユトルゴイ鉱山のオーナー関係が簡素化され、当社の銅ポートフォリオを大幅に強化でき、同時にオユトルゴイ鉱山とモンゴルに対する当社の長期的なコミットメントを示すことになりました。
  • 8 億 2,500 万ドルのリンコン買収の完了を受け、当社取締役会は、バッテリー品質対応の炭酸リチウムを年間 3,000 トン規模で生産する小規模な試作工場を建設するために 1 億 9,400 万ドルの投資を承認しました。この投資には、量産に必要な初期の準備作業が含まれます。第1段階として250 人を収容するキャンプ施設の建設作業が完了しました。また、滑走路の使用許可が下り、請負業者が現地に入りました。商業生産は、 2024 年前半に開始される予定です。
  • ギニア、アルゼンチン、オーストラリアでの活動を強化したため、2022 年の探鉱および評価の支出は24% 増え、8 億 9,700 万ドルとなりました。

 

当社事業における二酸化炭素排出量の削減

CO2e(百万トン) 2022 2021 2018*
スコープ 1 22.8 22.8 23.7
スコープ 2 7.5 8.2 8.9
合計 30.3 31.0 32.5

*資産の売却・買収を反映し、2018年のベースラインは調整されました。2018年の実質二酸化炭素排出量は3,370万トンでした。

  • 2025 年までに 15% 削減し、2030 年までに 50% 削減するという当社のスコープ 1 および 2 の二酸化炭素排出量目標は、パリ協定のストレッチゴールである5°C と一致しており、非常に高い目標です。しかも、多くの同業他社とは対照的に、当社の二酸化炭素排出量の約 80% は、高温での処理が必須の金属や鉱物の加工・生産によるもので、削減が容易ではない活動から発生しています。残りの 20% は採掘現場から排出されます。低炭素への転換は複雑です。当社の事業を脱炭素化するための新技術の開発と主要なプロジェクトの実施には時間がかかります。
  • 2022 年の当社のスコープ 1 および 2 の二酸化炭素排出量は 3,030 万トンの CO2e (2021 年は 3,100 万トン) となり、当社の2018 年のベースラインより 7% 削減されました。これは、ケネコットとエスコンディダの消費電力を、この数年間で再生可能電力に切り替えたこと、また、2022 年のキティマットとボインのアルミニウム製錬所の生産量が計画を下回ったことが主な要因です。昨年は望んでいたほどのペースで削減プロジェクトを前進させることができなかったため、脱炭素化プロジェクトへの設備投資は 9,400 万ドルで、目標設定時の予想を下回りました。機器の納入の遅れ、研究の進行に影響を与えるリソースの制約、建設と試運転の遅れ、プロジェクトの準備なども足かせとなりました。
  • これに対応して、当社のプロダクトグル ープ全体にわたる脱炭素化の課題に焦点を当てるため、専任チームによる6 つの削減プログラムを立ち上げました。パシフィック・アルミニウム事業の電力転換、再生可能エネルギー、アルミニウム製錬の新陽極技術 (ELYSIS™)、アルミナ処理熱、鉱物の処理方法、およびディーゼルからの転換が含まれます。当社としては脱炭素化の課題 (制約と機会の両方) に対応する力を養い、より深い知見を得ています。関連する費用は 2022 年に約 1 億 4,000 万ドルに増加しました。その結果、2030 年の目標を達成するために必要な複雑で大規模なエネルギーシステムの構造変化に向けた準備を進めることができています。
  • これらのプロジェクトの中には、長いリードタイムが必要となるものもあります。そこで、自然を基盤とした 解決策への投資を増やすためのプログラムを追加し、当社の目標に大きく貢献することを期待しています。順調に進めば、これらのプロジェクトは二酸化炭素排出量と生物多様性の損失に対処する上で重要な役割を果たし、同時に地域社会にも利益をもたらすことができます。これらの「6 + 1」削減プログラムに取り組む当社のチームと、当社のテクノロジーへの本格的な投資は、当社事業の低炭素化への移行を加速するために必要な革新と変革をもたらし、事業環境の変化への当社の対応力を長期的に確保することになります。当社の 2022 年気候変動レポートは、ウェブサイトriotinto.comから入手いただけます。

 

(リリース内の表記はすべて米ドルです。)

 

 

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