リオティントと住友商事、低炭素アルミナ精製プロセスを実証するグラッドストン水素パイロットプラント建設に合意

2023/07/12

リオティントと住友商事は、アルミナ精製プロセスからの二酸化炭素排出量削減を目的とした1億1,110万ドルのプログラムの一環として、水素のパイロットプラントをオーストラリアのクイーンズランド州グラッドストンに建設します。アルミナ精製プロセスで水素を利用するのは本プログラムが世界初の試みとなります。

 

ヤーワン・アルミナ精製所での水素による煆焼プロセス実証プログラムは、オーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)から3,210万ドルの補助金を受領し実施されます。

 

本プログラムは、アルミナ水和物を摂氏1,000度まで加熱する煆焼プロセスにおいて水素が利用できることを実証することを目的としています。

 

このため、アルミナ精製所内に水素プラントを建設し、さらに精製所の一部設備の改良が実施されます。本プログラムが成功すれば、世界規模で同技術を採用する道が開かれることが期待されます。

 

リオティントのアルミニウム部門太平洋地域事業統轄マネージング・ディレクターのアルマンド ・トレスは次のように述べています:

「このパイロットプラントは、クイーンズランド州のアルミナ精製所において、天然ガスの代替として水素が利用できることを実証するための重要なステップです。

リオティントは、エネルギー転換を事業戦略の中核に据えており、本件は当社の事業の脱炭素化に向けた取り組みの一つです。

住友商事とのパートナーシップ、そしてARENAの支援により、ここグラッドストンでこの新技術を開発できることを誇りに思います」。

 

このプロジェクトは、水素を供給するために2.5MWの水素製造プラントをヤーワン・アルミナ精製所内に建設し、また同精製所の既存の4基の煆焼炉のうち1基を改良し、水素バーナーで稼働できるようになります。

 

このトライアルにより、年間約6,000トンのアルミナが生産され、ヤーワン・アルミナ精製所の二酸化炭素排出量は年間約3,000トン削減される見込みです。

 

同精製所全体がグリーン水素の使用に転換されれば、年間50万トンの排出量を削減することができます。これは約10万9000台の内燃エンジン自動車の排出量に相当します。

 

水素プラントと煆焼炉の改良は2024年に着工し、2025年までに稼働される予定です。

 

住友商事は、ヤーワン精製所内で水素製造プラントを所有・操業し、リオティントに直接水素を供給します。水素製造プラントの年間生産能力は250トン以上となる予定です。

 

住友商事エネルギーイノベーション・イニシアチブ サブリーダー北島誠二氏は次のように述べています:

「我々は、ARENAの支援のもと、長きにわたるパートナーであるリオティントとともに、この水素製造実証事業を開始できることを大変うれしく思います。2050年までの当社グループ事業活動のカーボンニュートラル化に向け、意欲的なパートナーとともに産業界における水素利活用を実証することは、炭素排出量を削減するために不可欠です。住友商事は、本事業を足掛かりとして、リオティントの脱炭素に貢献すべく商用化事業への拡大を目指します。

我々は、オーストラリアで新たな水素製造プロジェクトに取り組み、オーストラリアにおける炭素排出量削減目標に貢献できることを誇りに思っています」。

 

このパイロットプラントは、2021年に発表されたリオティントとARENAの共同出資による120万豪ドルのフィージビリティ・スタディの成功を受けて実施されるものです。

 

リオティントは、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することにコミットしており、2030年までにスコープ1と2の排出量を2018年比で50%削減する目標を掲げています。

 

リオティントについて:

 

リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場するRio Tinto plcとオーストラリア証券取引所に上場するRio Tinto Limitedからなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして、低炭素社会への移行を実現するうえで重要な高品質の鉄鉱石や銅、アルミニウム他の鉱物など、世界が求める素材をよりよい形で生産、供給しています。

日本はリオティントにとって最も重要で長期にわたるパートナーのひとつです。低炭素社会の実現に向け、長年にわたりパートナーシップを深めてきた日本の企業との取り組みを強化しています。

 

住友商事について :

 

住友商事(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO:兵頭誠之)は、129拠点(66か国・地域)で、金属、インフラ、輸送機・建機、メディア・デジタル、生活・不動産、資源・化学品の6つの事業部門と1つのイニシアチブにて、幅広い産業分野で事業展開しています。住友商事は、脱炭素・循環型エネルギーシステムの構築によるカーボンニュートラル社会の実現に資する次世代事業の創出を目的として2021年4月にエネルギーイノベーション・イニシアチブ(EII)を新設し、本件事業もEIIにおける事業として推進しています。今後も、気候変動緩和に関する長期目標である「2050年のカーボンニュートラル化」の達成と「持続可能なエネルギーサイクルの実現」に大きく貢献すべく、水素社会の実現に向けた取り組みを加速させていきます。

 

住友商事:リオティントと住友商事 豪州グラッドストンにおける世界初のアルミナ精製工程での水素利活用実証事業開始について

 

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