リオティント 2020年度第4四半期生産実績を発表
2021/01/09
2021年1月19日
当リリースは2021年1月19日発表の生産実績発表(英文)の和訳です。下記リンク先で発表全文をご覧いただけます。
https://www.riotinto.com/news/releases/2021/Rio-Tinto-releases-fourth-quarter-production-results
リオティントは2021年1 月19日、2020年度第4四半期の生産実績を発表しました。
CEOのヤコブ・スタウショーン は次のように述べています。「新型コロナウイルス感染症という世界的に大きな課題に直面しながらも、当社は安全面と操業面で力強い業績を達成しました。これは当社のビジネスの底堅さと、従業員、顧客、コミュニティー、そして当社が生産をおこなう各国政府のコミットメントと柔軟性を反映したものです。」
「プートゥ・クンティ・クラマ・アンド・ピニクラ(PKKP)の方々の信頼を回復することに取り組んでいます。12月にPKKPとリオティントの会合後に出された共同声明で触れたように、いくつかの重要な進展がありました。また、特にピルバラ地区で契約内容のアップデートや改善への取り組みなど、伝統的土地所有者の方々とのパートナーシップを強化するための追加施策も開発中です。全体的な考え方や意思決定、パフォーマンスを強化するようなさらに包括的なアプローチをより広範に組み入れて、当社のステークホルダーの皆さまとの関わり方を世界中で改善することを心に誓っています。それでも私は、信頼を取り戻して評価を再構築するのに必要な変革を進めるためにパートナーの皆さまと真の意味で協力するために必要な時間と努力を、少なく見積もってはおりません。」
「リオティントは、安全で安定した操業拠点とワールドクラスの資産と強固なバランスシートを有しています。株主の皆さまへの優位な利益還元を実現し事業ポートフォリオの維持、成長に投資しつつ、事業をおこなうコミュニティーにおける納税やロイヤルティー支払い、雇用や購買を含む幅広い社会貢献を続けてゆくことができます」。
生産量* | 2020年度 第4四半期 |
前年同期比 | 前期比 | 2020年 | 2019年比 | ||||
ピルバラ鉄鉱石出荷量(100%ベース) | 百万トン | 88.9 | +2 | % | -8 | % | 330.6 | +1 | % |
ピルバラ鉄鉱石生産量(100%ベース) | 百万トン | 86.0 | +3 | % | 0 | % | 333.4 | +2 | % |
ボーキサイト | 百万トン | 13.3 | -12 | % | -8 | % | 56.1 | +2 | % |
アルミニウム | 千トン | 815 | +4 | % | +2 | % | 3,180 | 0 | % |
銅鉱石 | 千トン | 132.5 | -4 | % | +2 | % | 527.9 | -9 | % |
チタンスラグ | 千トン | 272 | -5 | % | -7 | % | 1,120 | -7 | % |
IOC鉄鉱石ペレットとコンセントレート | 百万トン | 2.7 | +7 | % | +17 | % | 10.4 | -1 | % |
- 特に記載のない限りリオティントの持分
第4四半期の操業に関する最新情報
- 2020年の安全面での業績は堅調で、死亡事故がない期間が2年を超えました。健康と安全は引き続き当社の最優先事項です。操業をおこなっている複数の地域で新型コロナウイルス感染症が再燃する中、従業員や現地コミュニティーを守るために不可欠な統制を継続的に実施しています。2020年の全傷害発生頻度は前年(42)から10%以上改善し、当社の環境変化への適応能力を示しています。
- ピルバラの鉄鉱石は2020年、第1四半期のサイクロン「ダミアン」の影響と新型コロナウイルス感染症の影響でメンテナンスが下半期へ延期されたものの、ネットワーク全体で堅調な業績を挙げました。出荷量は3億3,060万トン(100%ベース)で2019年より1%増加、生産量は3億3,340万トン(100%ベース)と2%増加しました。これは鉱石と剥土の合計処理量が2019年より7%も増加したことによるものです。
- ボーキサイトの生産量は5,610万トンで前年比2%増でした。ギニアのCBG鉱山の拡大の本格化とパシフィック鉱山の安定した業績が下支えとなりました。
- アルミニウムの生産量は前年並みの320万トンでした。ニュージーランドのティワイ・ポイント製錬所第4系列の減産とキチマット製錬所の炉修による生産量減少が、カナダ・ケベック州のベカンクール製錬所の生産再開による増加で相殺されました。
- 1月14日に、メリディアン・エナジーとの新規の電力供給契約が締結に至ったことを発表しました。これにより、ニュージーランド・アルミニウム・スメルター(New Zealand’s Aluminium Smelter 、NZAS)はティワイ・ポイント・アルミニウム製錬所の稼働を2024年12月まで続けられることになります。
- 銅鉱石の生産量はガイダンスの範囲を上回ったものの前年比9%減となりました。これはケネコット製錬所の計画的な長期操業停止に対応するために採鉱計画を変更した結果として品位低下が起こったことと、オユトルゴイの段階的な生産によるものです。ユタ州ケネコットの販売・オペレーションチームは第4四半期に約6万トンの銅コンセントレートの販売を達成。製錬所再開の遅延による影響は部分的に緩和し10月中に完全な稼働状態となりました。
- 12月16日にモンゴルのオユトルゴイ地下坑内プロジェクトのパネル0のコストとスケジュールの確定見積を確認しました。最初のサステナブル産出は2022年10月までに開始され、開発資本コストは以前に発表した範囲内の67億5,000万ドル[1]となる見込みです。プロジェクトが2021年中に採掘業務を確実に開始できるようにするには、他にも保留中の政府承認、資金調達、電力ソリューションの3つの節目を達成する必要があると考えています。
- チタンスラグの生産量は110万トンで、前年比7%減となりました。これはカナダ・ケベック州と南アフリカでの新型コロナウイルス感染症に関係した規制措置と、リチャード・ベイ・ミネラルズでの操業上の混乱と市場需要の後退によるものです。ケベック州と南アフリカでコロナが再燃する中、当社は従業員とコミュニティーの安全を確保するための広範な措置を導入しつつ操業を続けています。
- Iron Ore Company of Canada(IOC)でのペレットとコンセントレートの生産量は、第3四半期と第4四半期の処理施設での計画外のメンテナンスにより前年比1%減となりました。12月3日、ウアシャト・マク・マニ・ウテナム(Uashat mak Mani-utenam)とマティメクシュ・ラク・ジョン(Matimekush-Lac John)の両イヌー(Innu)族コミュニティーの方々との和解・協力契約に署名し、当社と両コミュニティーとの今後数十年間にわたる長期的パートナーシップを再確認しました。
- 12月10日に、セルビア西部の当社が100%所有するヤダーのホウ酸リチウムプロジェクトにおける未採掘の埋蔵鉱石と最新の鉱物資源について開示しました。埋蔵鉱石は1,660万トンで、酸化リチウムが81%、酸化ホウ素が13.4%です[2]。ヤダーは年間で約5万5,000トンのバッテリーグレードの炭酸リチウム、16万トンのホウ酸(酸化ホウ素単位)、副産物として25万5,000トンの硫酸ナトリウムを生産できる見込みです[3]。
- 12月17日、ヤコブ・スタウショーンを新しいCEOに任命したことを発表しました。着任は2021年1月1日です。また同じく1月1日付でピーター・カニンガムを暫定最高財務責任者に任命しました。
- 2021年1月15日、米国森林局が主導するアリゾナ州のレゾリューション銅プロジェクトで進行中のプロセスが次段階、パブリックコメントに入ったことを発表し、独自に作成した最終環境影響声明(Environmental Impact Statement; EIS)を発表しました。当初オバマ政権下で2020年7月に予定されていた最終EISの公表の遅れは、広範な公開協議、省庁間の重要な調整、新型コロナウイルス感染症関連の各種変更による作業の遅れ等によるものです。
当社の市場
新型コロナウイルス感染症対策の措置により、特に欧州において経済活動は短期的には混乱が続いています。金融政策は緩和傾向を維持し財政施策も広く活用されることが期待されており、これらが商品需要を支えると見込んでいます。
- 中国では景気刺激策が急速に展開されて産業部門は回復を見せ、現在は同感染症流行以前のレベルとなっています。経済の回復とともに輸出は改善を続けており、国内投資と消費促進のための政策転換が商品需要の見通しを明るくしています。
- 鉄鉱石価格は、市場ファンダメンタルズのひっ迫を背景に、2020年後半に大幅に上昇しました。新型コロナウイルス感染症の流行による局所的な影響が一部地域で続いているものの中国の購買は堅調を維持しています。日本、韓国、台湾、ヨーロッパの需要は回復しつつあり、在庫補充の必要性も相まって需要が増大しています。
- アルミニウム価格は、川下、特に自動車分野と包装材分野の堅調な需要によって反発しています。しかし、中国で供給の増加が見込まれることや世界全体の在庫が高水準であることを踏まえ、今後の見通しに関して当社は慎重な姿勢を維持しています。
- 銅価格は引き続きたいへん堅調です。中国の消費は旺盛で、鉱山とスクラップからの供給は途絶しており、投資需要は非常に好調です。当社は世界の財政刺激策(特に電化と再生可能エネルギーセクター)で銅が集中的に使用され、見通しを下支えすると予想しています。
主要製品の平均実勢価格
単位 | 2020年 | 2019年 | |
ピルバラ鉄鉱石 | FOB、$/wmt | 91.0 | 79.0 |
ピルバラ鉄鉱石 | FOB、$/dmt | 98.9 | 85.9 |
アルミニウム* | 地金価格 $/t | 1,946 | 2,132 |
銅** | 1ポンド当たり米セント | 283.0 | 274.0 |
IOCペレット | $/wmt | 127.6 | 137.1 |
* LME価格に全プレミアム(製品プレミアムとマーケットプレミアム)を加算
** すべての販売単位の実勢価格、暫定価格契約について調整済み
製品スチュワードシップ、当社のバリューチェーン、サステナビリティー
- 顧客企業などステークホルダーと協力しバリューチェーンにおける炭素排出量削減を推進する取り組みの一環として、当社の気候対策戦略に沿って3件のパートナーシップを第4四半期に進展させました。
- 11月23日、中国・清華大学と新たなパートナーシップ契約を締結し、清華リオティント・資源・エネルギー・サステナブル開発共同研究センター(Tsinghua-Rio Tinto Joint Research Centre for Resources, Energy and Sustainable Development)の研究プロジェクトへ今後5年間で3,000万人民元(450万ドル)の追加提供を確約したことを発表しました。
- 12月16日、日本最大の鉄鋼メーカーである日本製鉄との間で、低炭素排出の鉄鋼バリューチェーンへの移行に向けた技術を共同で調査、開発、実証するための覚書を交わしたことを発表しました。
- 12月16日、世界最大の鉄鋼メーカーである宝武集団との間で気候パートナーシップが進展したことを発表しました。これには今後2年間で低炭素の製鉄プロジェクトと研究に1,000万ドルを投資することの確約が含まれます。
- 12月16日に、ケベック州サグネ・ラック・サン・ジャンにELYSIS事業化研究開発センターの建設竣工を発表しました。同センターは現在試験的操業をおこなっています。
- 12月17日、ケベック州サグネ・ラック・サン・ジャンのアルミニウム操業拠点におけるリサイクル能力の拡大に840万ドルの投資を発表しました。これは、アルミニウム圧延品を購入する北米の顧客向けに、低炭素アルミニウムとリサイクル・アルミニウムを組み合わせた新しい持続可能なソリューションを提供することを目的としています。新しいアルミニウム・リサイクル・システムは、当初、年間2万2,000トンの再溶解能力からなり、2021年末に稼働する予定です。
- チタンスラグ生産時に発生する廃棄物から高純度の酸化スカンジウムを抽出するパイロット・プラント試験に続き、2021年1月14日、ケベック州ソレル・トレーシーにあるリオティント・フェル・エ・チタン(RTFT)の冶金施設で新しい商業規模の実証プラントの最初のモジュールに600万ドルの初期投資をおこなうと発表しました。酸化スカンジウムの商業出荷は2021年第2四半期に予定されています。これによりRTFTは北米における高品質酸化スカンジウムの製造の第1人者となります。
リオティントについて
リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場するRio Tinto plcとオーストラリア証券取引所に上場するRio Tinto Limitedからなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして、探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とするリオティントの主要な生産品目としては、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、ウラン、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩など)が挙げられ、人類の進歩に必要不可欠な製品を供給しています。豪州と北米を重要なビジネス拠点とする一方で事業活動は世界にまたがり、南米からアジア、欧州、アフリカにおよびます。4つのプロダクトグループ(アルミニウム、銅&ダイヤモンド、エネルギー&ミネラルズ、鉄鉱石)に加えて成長イノベーション部門とコマーシャル部門が、横断的かつ補完的に役割を果たす組織編制になっています。
リオティントと日本について
日本はリオティントにとって最も重要かつ長期にわたる取引パートナーのひとつです。当社の鉄鉱石ビジネスは 1960 年代に日本の製鉄会社による長期の購入契約を背景に発展を遂げ、日本の高度経済成長期を良質 な原料資材の安定供給で支えてきました。リオティントは今日も日本に対する鉄鉱石の最大のサプライヤーであり、これまで50 余年にわたり 19 億トン以上を出荷。また、金属・鉱物資源においても、日本最大のサプライヤーのひとつとして250 社を超える日本の顧客企業へアルミニウム、銅、モリブデン、ダイヤモンド、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩等)を輸出しています。さらに、日本企業は当社の大切なパートナーとして世界中の合弁事業やバリューチェーン、技術革新に欠かせない存在です。
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[1] この見積はフィージビリティスタディーの精度より良い数値です。
[2] この埋蔵鉱石量見積は2020年12月10日付のオーストラリア証券取引所向けリリース(ASXリリース)“Rio Tinto declares maiden Ore Reserve at Jadar”に記載済みです。埋蔵量に関するASXリリース発表情報の責任者はオーストラリア鉱業冶金研究所のフェロー(FAusIMM)であるアラン・アール氏で、その評価は同研究所メンバー(MAusIMM)ゲイリー・デイビス氏の冶金学的見方を受けたものです。当社は当該ASXリリースに含まれる情報に重大な影響を与える新情報やデータを認識していないこと、同リリース内の見積を支持するすべての重要な仮定と技術的要因が引き続き適用され実質的に変更されていないこと、調査結果が提示される形式と文脈が実質的に変更されていないことを確認しています。
[3] これら生産目標は2020年12月10日のASXリリースで報告済みです。生産目標を支える重要な仮定はすべて引き続き適用され実質的に変更されていません。