リオティント 2022年度上半期の業績を発表
2022/07/28
リオティントのCEO、ヤコブ・スタウショーンは本日の中間決算に関して次のように述べています。「当社は、長期的戦略の実現に向け、引き続き注力しています。業績は着実に向上しており、成長に向けたアジェンダの観点においても、特筆すべき進捗がいくつかありました。まず、モンゴル政府との関係を引き続き強化し、オユトルゴイで銅鉱石の坑内掘りを開始しました。また、西オーストラリア州グダイダリ鉱山から鉄鉱石を初出荷したほか、アルゼンチンではリンコン・リチウム事業の所有権を獲得しました。」
「市場環境は、昨年の記録的な状況には及ぼないものの、引き続き好調でした。生産量はほぼ横ばいで、特別項目を調整したEBITDAは156億ドル、フリーキャッシュフローは71億ドル、総額48億ドルの税金および政府へのロイヤルティーの支払いを差し引いた、特別項目調整後純利益は86億ドルとなり、堅実な業績を達成できました。この結果、中間配当は、配当性向50%の当社方針に従い、過去2番目の高配当となる43億米ドルとなります。なお、市況環境は本半期末時点においてより厳しくなっています。」
「当社の職場カルチャーを含む企業文化を持続的かつ長期的に変革するとともに、先住民やコミュニティ、パートナーとのより良好な関係構築に尽力してまいります。当社のこうした一連の施策は、株主の皆様に対する魅力的な利益還元、事業ポートフォリオの維持・発展に向けた投資、そして、二酸化炭素排出ネット・ゼロの実現努力を通じて、より幅広い社会貢献の継続的実施を、確実なものにしてくれると考えています。」
上半期 | 2022 | 2021 | 対前年比 |
営業活動によるネット・キャッシュフロー(百万米ドル) | 10,474 | 13,661 | (23)% |
有形固定資産と無形固定資産の取得(百万米ドル) | 3,146 | 3,336 | (6)% |
フリーキャッシュフロー1(百万米ドル) | 7,146 | 10,181 | (30)% |
連結売上高(百万米ドル) | 29,775 | 33,083 | (10)% |
特別項目を調整した EBITDA1(百万米ドル) | 15,597 | 21,037 | (26)% |
リオティント株主に帰属する税引後当期純利益(百万米ドル) | 8,908 | 12,313 | (28)% |
特別項目を調整した 1 株あたり利益1 (EPS)(米セント) | 532.7 | 751.9 | (29)% |
1株あたり普通配当(米セント) | 267.0 | 376.0 | (29)% |
1株あたり特別配当(米セント) | — | 185.0 | (100)% |
1株あたり配当合計(米セント) | 267.0 | 561.0 | (52)% |
特別項目を調整した使用資本利益率(ROCE)1 | 34 % | 50 % | |
2022年6月30日現在 | 2021年12月31日現在 | ||
純現金額1(百万米ドル) | 291 | 1,576 |
1 この財務業績指標は、非GAAP代替業績指標(「APM」)です。
- 安全は引き続き当社の最優先事項です。当社が操業を直接管轄している事業においては、死亡事故件数ゼロの期間が3年半を超えましたが、安全については日々の業務上の規律が大事であることを認識しています。全傷害発生頻度は2021年比改善し35となりました。しかし、新型コロナウイルス感染症に起因する疲労の蓄積、労働力不足その他の問題から、日常業務における安全リスクは高まっています。これらのリスクに対応するため、当社のセーフティー・マチュリティ・モデルの強化を進めています。
- 営業活動により生み出された純現金は105億ドルで、2021年上半期より23 %減少し、フリーキャッシュフローも同様に30%減少して71億ドルとなりました。これには、ピルバラの代替鉱山開発プロジェクトの完了が近いことから、資本支出が6%減少し31億ドルとなったことも含まれています。
- 純利益は89億ドルで、2021年上半期よりも28%低い結果となりました。これは、商品価格の変動、当社の事業におけるエネルギーコストの上昇、および当社の営業費用と閉山費用引当金に対するインフレ率の上昇を反映しています。当期純利益に適用された実効税率は、2021年上半期の5 %に対して、24.5 %でした。
- 特別項目を調整したEBITDAは156億ドルで2021年上期比26 % 減であり、特別項目を調整したEBITDAマージンは50 % です。
- 特別項目を調整した純利益(特別項目を調整したEPSは7米セント)は86億ドルと2021年上期比29%減であり、特別項目を調整した実行税率は2021年上期の28.8%に対して25.5%でした。
- 2022年6月30日時点の純現金額は3億ドルでした。これは、年初の純現金額 の16億ドルに対し、株主への配当金支払い額76億ドルとリンコン買収のために支払った8億ドルで相殺された71億ドルのフリーキャッシュフローを反映しています。
- 中間普通配当は、過去2番目に高い43億ドルとなり、1株当たり267米セントに相当します。これは、特別項目を調整した純利益の50%であり、当社の株主還元方針に沿ったものです。また、中間普通配当の配当性向を50%とする当社の慣行とも一致しています。
- 当社の職場カルチャーに関する包括的な第三者レビューの結果を2月1日に公表したことを受けて、当社の職場が、全社員にとり安全かつお互いを尊重し合えるインクルーシブな職場であることを確実にするため、当社としてはこの報告書における推奨事項すべての実施を進めています。
- 当社は今年中に女性の管理職(上級幹部職を含む)の比率を2%増加させるという、ジェンダーダイバーシティ目標の達成に向け、計画通りに進んでいます。女性管理職数は、今年上半期に1%ポイント増加して、6%になりました。
- 全世界の操業拠点において、先住民との関係を再構築することに引き続き注力してまいります。当社は2月14日、オーストラリアにおいてインハワンカ・アボリジニ・コーポレーションとの合意を発表しました。これは、西オーストラリア州ピルバラ地区にあるウェスタン・レンジ鉄鉱石プロジェクトの開発計画の一環として、同地域の重要な社会的、文化的遺産の価値を確実に保護することを目的に、同社と共同で策定した管理計画に関するものです。また5月には、プートゥ・クンティ・クラマ族とピニクラ族(PKKP)の住民の皆様との基本合意書に署名しました。これは、当社がPKKPが所有する土地で採掘活動を行うための共同管理の指針となるものです。
- 開発において卓越した力を発揮する、という事業目標に対しては、今年上半期において著しい進捗があました。主要なマイルストーンとしては以下のものが挙げられます:
- 10年ぶりとなる鉄鉱石の新規開発鉱山である、ピルバラ地区のグダイダリから、鉄鉱石を初めて出荷しました。2023年には、年間4,300万トンの生産能力に達する見込みです。
- モンゴルのオユトルゴイにあるヒューゴノース銅・金地下鉱山で、初となるドローベルの破枠を行いました。これは、2022年1月25日に発表された、パートナー間の関係修復のための包括的合意に基づき、坑内掘りの操業開始につながったものです。2023年上半期に継続維持可能な生産を達成するために、アンダーカットの作業を予定通り順調に進めています。
- ターコイズ・ヒル(TRQ)の取締役会に対して同社発行済株式の49%(当社が現在保有していない株式)をすべて現金払いで取得するという、拘束力のない提案を行ったことを発表しました。提示した取得価額は、1株あたり34カナダドルで、当社の少数株主としての持分は27億米ドルに相当します。そして今年5月18日に当社は、最大4億ドル相当の短期前払金による流動性資産を提供すべく、TRQとの間で資金援助計画の改訂に合意したことを発表しました。この提案は現在、TRQの特別委員会にて審議されています。また、資金援助計画においてTRQに対して設けられていた、少なくとも6億5,000万ドル相当の同社株式を当社に譲渡する期限は、今年8月末から2022年末に延長されています。
- アルゼンチンのリンコン・リチウム事業の買収完了を受け、取締役会は、年産3,000トンのバッテリー用炭酸リチウムの小規模スタータープラントの開発のための資金として$1億9000万を承認しました。初出荷は2024年を予定しています。この承認には、送電線や関連変電設備、建設作業員用の宿泊施設、滑走路など本格操業時に必要な設備の初期工事も含まれます。
- 最高の鉱山事業者になる、という当社の理想達成に向け、リオティント・セーフ・プロダクション・システム(RTSPS)の全社的展開を継続しており、現在、事業全体にわたって15件の導入実績があります。また、事業におけるボトルネック解消を目的とした30件の短期改善プロジェクト(Kaizens)が完了または進行中です。
- 当社は、スコープ1および2における二酸化炭素排出量を2030年までに50%削減する目標を設定しています。想定内ではありますが、まだ当社の排出量を削減するには至っておりません。しかしながら、削減目標に向けて着実に進みつつあります。その一つとして、クイーンズランド州の中部および南部で、大規模な風力および太陽光発電開発プロジェクトの提案募集を開始することを発表しました。これは、グラッドストーン地区にある当社のアルミニウム生産拠点に電力を供給することを目的とするものです。これらの生産拠点では、操業のために1,140メガワットの信頼性の高い電力を必要としています。これは、電力需給調整機能を備えた、少なくとも4ギガワットの高品質な風力または太陽光発電に相当します。
- オーストラリア税務局(ATO)とは、争点となっているすべての税務事項について合意に達しました。また、同じ過年度(2010 年から 2021 年まで)の移転価格に関して、シンガポール内国歳入庁と合意に達しました。2022 年下期に、この合意に基づき ATO に 6億1,300万豪ドルの追加税額を支払う予定ですが、これは全額引当金として計上されています。
エナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア (ERA)
ERAの大株主として、今年初めに発表されたオーストラリア北部準州におけるレンジャー・リハビリテーション・プロジェクトのコストとスケジュールの超過・遅延を知り、失望しました。当社は、同リハビリテーション・プロジェクトが、隣接するカカドゥ国立公園と同様の環境を確立できる水準で完了するよう引き続き取り組んでいきます。また、伝統的土地所有者であるミラー族がジャビルカ・ウラン鉱床の開発に反対していることを認め、ミラー族の同意なしに同鉱床が開発されることは決してないというERAの約束を全面的に支持することを改めて表明します。
ERAがコストとスケジュールの大幅な超過・遅延を発表して以来、ERAの社外取締役により構成される委員会と建設的に協力して資金調達の解決策を模索してきました。リオティントの見解は、以下を反映した条件であるべきとの立場です。
o 甚大なコスト超過と暫定的な資金調達の要件
o ジャビルカの将来的な開発に関するミラー族の公の立場、そして;
o リハビリテーションのコミットメントが金銭的利益を生みださないというリオティントの期待
これらの協議は、ERAがこの重要なリハビリテーション・プロジェクトを完了するための手段を確実に持つように、現在も続けられています。
操業活動によるキャッシュフロー
当上半期累計期間
(2022年6月30日に終了した 6か月間)
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前上半期累計期間
(2021年6月30日に終了した 6か月間)
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百万米ドル | 百万米ドル | |
営業活動によるキャッシュフロー
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10,474 | 13,661 |
有形固定資産および無形資産の購入 | (3,146) | (3,336) |
有形固定資産の販売 | 1 | 26 |
リース元本の支払い | (183) | (170) |
フリーキャッシュフロー | 7,146 | 10,181 |
資産の除却 | — | 10 |
株主配当 | (7,595) | (6,435) |
リンコンの買収 | (825) | — |
その他 | (11) | 48 |
純現金の(減少)/増加 / 負債 | (1,285) | 3,804 |
- 営業活動から得られた純現金105億ドルは、2021年上期より23%減少しましたが、これは主に当社の主要商品の価格変動に起因するものです。2022年6月に、2021年の利益に関連して、オーストラリア税務局に11億ドル(15億豪ドル)を最終納付しました。また、主にアルミニウム在庫の原料価格の上昇により運転資本が増加しましたが、鉄鉱石の港湾在庫の取り崩しにより一部相殺されました。
- 資本支出 31 億ドルは、3 億ドルの成長資本、12 億ドルの代替資本そして16 億ドルの維持資本で構成されます。
- 2022 年上期に支払われた 76 億ドルの配当金は、2021 年度の最終普通配当および特別配当であり、為替の影響を含みます。
- 上記の動きと、リンコン・リチウムプロジェクトの8億ドルの買収完了により、2022年上期に純現金額が13億ドル減少し、2022年6月30日現在の純現金額は3億ドルとなります。
リオティントについて
リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場する Rio Tinto plc とオーストラリア証券取引所に上場する Rio Tinto Limited からなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とし、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩他)など人類の進歩に必要不可欠な製品を供給しています。オーストラリアと北米を重要な拠点とし、南米、アジア、欧州、アフリカなど世界で事業をおこなっています。日本はリオティントにとって最も重要で長期にわたるパートナーのひとつです。
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