環境によりやさしい未来に向けて: リオティント、プレミアム自動車部品向けアルミニウムの供給で BMW グループと提携

2023/02/21

人々が単にスピード、スタイル、ラグジュアリー感をプレミアムカーに求めていた時代は終わりました。自ら購入した車の製造に使用されている素材はどこから来たのか、持続可能なものなのか、そしてそれら素材を製造する過程で排出された温室効果ガスの数値はどうなっているのか、といったことへの人々の関心が、いま高まっています。

 

プレミアムカー業界における新しいスローガンは、「グリーン・イズ・ザ・ニュー・ブラック」、つまり、「グリーン(エコ)」がトレンドになりつつあります。車の内装に使用されるレザーからエンジン部品に使用される金属に至るまで、プレミアムカーを購入しようと考える人々はますます、責任を持って調達された素材で作られた車を求めるようになってきています。

 

自動車市場におけるこの根本的な変化を踏まえ英豪資源会社リオティントとドイツのBMWグループはこのたび、新たな革新的パートナーシップを結ぶこととなりました。両社はそれぞれの業界におけるリーダーであり、より責任ある、持続可能でトレーサブルかつ安定したサプライチェーンを構築するという共通の目標を持つ企業です。

 

この新たなパートナーシップのもと、リオティントは2024 年より、米国サウスカロライナ州スパータンバーグにある BMW グループの車体組み立て工場向けに、責任を持って調達・生産されたアルミニウムを供給していく予定です。

 

リオティントがカナダで水力発電を利用して生産し、さらにリサイクル原料と組み合わされる低炭素アルミニウムは、BMWグループがアルミニウム部品に関して定めている現行基準値と比較して、温室効果ガス排出量を最大 70% 削減することが可能です。

 

このたび両社は覚書 (MoU)を締結し、それぞれの技術者が、最高水準の車両品質を維持しつつこれら低炭素ソリューションを BMWグループのサプライチェーンに組み込む方法につき、協力して取り組んでいきます。

 

このパートナーシップのもと、リオティントはELYSIS™の技術を用いて製造されたアルミニウムをBMWグループに提供し、BMWはこれを同社の自動車生産に使用します。ELYSIS™ は、アルミニウムの製錬工程で温室効果ガスを直接排出せず、酸素のみを生み出す世界初のカーボンフリーなアルミニウム製錬技術です。

 

また両社は、リオティントのトレーサビリティ・プラットフォームであるSTART™の導入も検討します。 START™は、原料の生産・供給履歴やESG情報をデジタル技術を使って「見える化」し、リオティント製品の顧客と最終製品の購入者に対してサプライチェーンのトレーサビリティ情報を提供します。

 

リオティントのチーフ・コマーシャル・オフィサー、アルフ・バリオスは次のように述べています。「責任あるアルミニウム生産においてリオティントが世界をリードしているということは、ネットゼロに向けた脱炭素への取り組みを行う顧客に対し、当社が革新的なソリューションの提供ができるということです。責任を持って調達された原材料に対する世界的な需要がますます高まる中、自動車メーカーは、トレーサビリティと持続可能性への取り組みを共有するサプライヤーとの連携をより一層求めています。当社は、BMWグループとのこのパートナーシップを通じて、プレミアムカー業界で、より環境にやさしい未来の実現に貢献できることを誇りに思っております。そして今後も自動車業界との関係をさらに深めていきたいと考えております」。

 

カナダのフランソワ・フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣は次のように述べています。「カナダは、低炭素分野への投資先として世界的に注目されています。BMWとリオティントによるこのすばらしいパートナーシップにより、カナダがクリーンエコノミーから経済的恩恵を享受できる優位な立場にあることがわかります。カナダで生産された低炭素アルミニウムがBMWの車両に使用されることは大変誇らしいことです。カナダは今後も、豊富な重要鉱物資源、優秀な労働者、クリーンエネルギー、市場へのアクセスの良さといった競争上の優位性を強化し、経済の成長とメイド・イン・カナダのイノベーションを支えていきます」。

 

BMW AG の取締役会メンバーで、購買およびサプライヤーネットワークを担当するヨアヒム・ポスト氏は、次のように述べています。「当社には、サプライチェーンにおける二酸化炭素排出量の削減に向けた明確な目標があります。革新的な素材を使用することで、お客様に車をお渡しする段階ですでに、その車のカーボンフットプリントを削減することが可能となります。低炭素アルミニウムの供給に関するリオティントとの契約には、いくつかの柱があります。水力発電とリサイクル素材の使用に加え、製錬工程で二酸化炭素を直接排出しないアルミニウムの使用を増やすことで、自動車業界をリードしていきたいと考えています」。

 

ご参考:

ELYSIS™は、アルミニウム業界のリーダーであるリオティントとアルコアのパートナーシップを通じて設立されたテクノロジー企業であり、アップル、カナダ政府およびケベック州政府の支援を受けています。ELYSIS™は、アルミニウム製錬工程で二酸化炭素を直接排出せず、酸素のみを放出して金属生産を可能にする画期的な技術をさらに進めています。この技術では、アルミニウムの製錬工程に必要な電気分解において従来使用されていた炭素陽極に替えて不活性陽極を使用します。詳細については、www.elysis.com をご覧ください。

 

リオティントは、アルミニウム業界の透明性、トレーサビリティ、原産地の新しい基準である START™を2021年に立ち上げました。START™は、リオティントのアルミニウムの製造に関する主要なESG(環境、社会、およびガバナンス)情報を、安全なブロックチェーン技術を使用して「見える化」するものです。START™が提供するESG指標には、LCAに基づいた温室効果ガスの排出量、水の使用量、エネルギー源、大気排出物、生物多様性、土地管理、再生材料、安全操業実績、コミュニティへの貢献、第三者評価、倫理およびコンプライアンス研修、リーダーシップの多様性、リオティントの内部告発プログラムなど14の項目が含まれています。START™により、顧客・消費者はより責任ある製品の購入を選択することが可能となります。

 

 

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