リオティント 2024年度の通年業績を発表
2025/02/20
堅調なパフォーマンスに支えられた業績
- 鉄鉱石価格が11%下落*したにもかかわらず、特別項目調整後のEBITDAは233億ドルと、財務内容は堅調。
- ポートフォリオの構成と効果的な運転資金管理により、営業活動によるネット・キャッシュフローは156億ドル増加。
- リオティントの株主に帰属する税引後純利益(本リリースでは「純利益」と表記)は116億ドル。
- 通年の普通配当総額は配当性向60%に基づき65億ドル。配当性向の目標レンジの上限 を9年連続で維持。
通期 |
2024 |
2023 |
対前年比 |
営業活動によるネット・キャッシュフロー(百万米ドル) |
15,599 |
15,160 |
3% |
有形固定資産と無形固定資産の取得(百万米ドル) |
9,621 |
7,086 |
36% |
フリーキャッシュフロー1(百万米ドル) |
5,553 |
7,657 |
(27)% |
連結売上高(百万米ドル) |
53,658 |
54,041 |
(1)% |
特別項目を調整した EBITDA1(百万米ドル) |
23,314 |
23,892 |
(2)% |
リオティント株主に帰属する税引後当期純利益(百万米ドル) |
11,552 |
10,058 |
15% |
特別項目を調整した 1 株あたり利益(EPS)1(米セント) |
669.5 |
725.0 |
(8)% |
1株あたり普通配当(米セント) |
402.0 |
435.0 |
(8)% |
使用資本利益率(ROCE)1 |
18% |
20% |
|
純現金額1(百万米ドル) |
5,491 |
4,231 |
30% |
リオティントのCEO、ヤコブ・スタウショ―ンは、次のように述べています。「当社は、力強い業績と財務実績を積み重ね、その勢いを維持しています。特別項目調整後EBITDAは233億ドル、営業活動によるキャッシュフローは156億ドルとなり、当社は今後10年の収益性の高い成長計画を支えるべく、投資を拡大しています。税金および政府へのロイヤルティーとして82億ドルを支払った後の特別項目調整後純利益は109億ドルとなり、また使用資本利益率は18%と、健全な業績を報告しています。
当社のバランスシートの強さは、規律ある投資を継続しながら、9年連続で配当性向の目標レンジの上限となる60%の配当を維持し、65億ドルの普通配当支払いを可能にしています。
2025年は、3月に予定されているアルカディウム・リチウムの買収完了を含め、多様化し成長を続ける事業を成功に導くためのすべての基盤が整い、非常に楽しみです。私たちは、短・中・長期的な視野に立って規律ある経営を続けると同時に、株主の皆様に魅力的な配当を実施していきます。
安全は当社の最優先事項です。非常に残念なことに、2024年は当社の事業に携わる5名の方が死亡する事故がありました。2024年1月23日、カナダのノースウェスト準州フォートスミス近郊で、離陸直後に飛行機が墜落し、4名のダイアヴィク従業員と2名の航空会社乗務員が亡くなりました。また、2024年10月26日、ギニアのシマンドゥ鉄鉱石プロジェクトの一部であるモレバヤのシムファー港プロジェクトで、当社の請負業者の従業員が負傷し、その後、その負傷により亡くなりました。
当社は、安全性を継続的に向上させる方法を学ぶことに全力を注いでいます。これは2025年を通じて引き続き最重要課題であり、当社の4つの目標を達成するための基盤となります。
社員の健康、鉱床に関する知識、資産の健全性を優先することで、操業パフォーマンスを向上させ、優れた財務実績を達成しました。当社は財務の健全性を維持しており、将来への投資を通じて収益性の高い成長を実現するとともに、引き続き魅力的なリターンを提供することが可能です。
2024年の継続的な成功、2025年以降の成長を加速
最良のオペレーターであることに注力する一環として、当社のセーフ・プロダクション・システム (SPS)を通じて、資産の価値を安全かつ持続的に最大限に実現することを目指しています。当社の操業パフォーマンスは改善しています。2024年には、銅換算(長期コンセンサス価格に基づく)で生産量を1%以上、販売量を3%引き上げました。また、年末までに当社の31の事業所(全体の約80%)でSPSを導入しました。このプログラムの成果のひとつとして、2024年にピルバラ鉄鉱山で2年連続となる500万トンの増産を達成したことが挙げられます。
卓越した開発目標に沿って、将来のためのパイプラインを構築しながら、ポートフォリオの拡大と多様化を進めています。
- モンゴルのオユトルゴイ銅金鉱山では、2028年から2036年にかけて銅の年間生産量を50万トン1へ増産することを目指し、換気用シャフト3と4を増設し、地表へのコンベヤーの増設を進めています。
- ギニアのシマンドゥ鉄鉱石プロジェクトでは、シムファー鉱山2が2025年に最初の生産を行う予定で、30ヶ月かけて年間6,000万トン(リオティントの取り分は年間2,700万トン)の生産能力に引き上げる予定です。
- ピルバラでは、5つの鉄鉱石鉱山代替プロジェクトを進めています。その中には2025年前半に最初の鉱石生産を予定しているウェスタンレンジも含まれます。
- アルカディウム・リチウムを67億ドルの全額現金取引で買収する最終合意を発表し、エネルギー転換に必要な素材におけるグローバルリーダーとしての地位を確立しました。この取引は3 月に完了する予定です。
- アルゼンチンのリンコン・プロジェクト拡張に25億ドルの投資を承認しました。これは当社初の商業規模のリチウム事業であり、バッテリーグレードの炭酸リチウムを年間60,000トン生産する計画です。
ESGについて非の打ちどころのない取り組みを行うという当社の目標に沿って、低炭素への転換は引き続き当社の戦略の中核にあります。2024年のスコープ1と2の炭素排出量は持分ベースで3,070万トン(2023年調整後排出量は3,390万トン4)となり、2018年の基準値3,570万トン4から14%下回りました。
2024年には、主に新しい再生可能エネルギー契約を通じて、320万トンの炭素排出量を削減しました。また、2030年までに年間約360万トンの削減が見込まれるプロジェクトにコミットすることを決定しました。そのほとんどは、再生可能エネルギーとバイオ燃料を活用するものです。2024年初めに、太陽光発電と風力発電の2つの主要な再生可能エネルギー電力購入契約を発表したことで、グラッドストンの事業のエネルギー転換は大幅に進展しました。
また、バリューチェーンの脱炭素化、特に製鋼プロセスにおける炭素排出量削減をお客様やサプライヤーと協力し進めています。中でも革新的な製鉄プロセスであるBioIron™の開発を引き続き進めています。BioIronは、再生可能エネルギーと成長の早いバイオマスを組み合わせることで、現在の高炉法と比べ炭素排出量を最大95%削減できる可能性があります。
当社は、西オーストラリア州に研究開発施設を建設するために1億4300万米ドルを投資しています。この施設は2026年に稼働開始する予定で、従来の施設よりも10倍の規模を持つパイロットプラントが設置される予定です。詳細は、本日発表した2024年次報告書の気候変動に関するセクションをご覧ください。
2024年には、より優れたオペレーターおよびパートナーとなるべく、社会的パフォーマンスの強化に取り組みました。第三者機関であるエンゲージメントサイエンスの調査会社であるVoconiq社と共同で、グローバル・コミュニティ認知モニタリング・プログラム「ローカル・ボイス(英語のみ)」を開始しました。このプログラムを通じて、地域社会との対話をより効果的に行い、より深くコミュニティの考え方を理解することで、データに基づく意思決定の向上を目指します。
また、2024年は、「Everyday Respect」レポートの最終提言の1つを完了しました。エリザベス・ブロデリック氏が率いる外部機関による独立した進捗状況評価を公表し、変化が着実に進んでいることが明らかになりました。調査結果の一つによると、従業員は以前よりも発言しやすくなり、「Everyday Respect」が社内で当たり前の会話として広く認識されるようになったことが示されています。これは、企業文化の変革に向けた重要な一歩です。
人材の育成と多様性の推進に取り組み、ジェンダーの多様性を25.2%(2023年は24.3%)に向上させました。この増加は、組織のすべての階層でみられ、女性管理職の割合は32%(2023年は30.1%)に上昇しました。
*リリース内の表記はすべて米ドルです。
*注釈については英文リリースをご参照ください。
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奥野雄三 Yuzo Okuno
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