リオティントと日本製鉄、気候変動に関する覚書を締結

2020/12/16

世界有数の鉱物資源会社であるリオティントと日本最大の鉄鋼メーカーである日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、炭素排出の少ない鉄のバリューチェーンへの移行に向けた技術の探索、開発、実証を共同で行うための覚書を締結しました。

 

リオティントと日本製鉄は、1966年にオーストラリアのピルバラ地区にあるリオティントの鉱山から鉄鉱石が初めて日本へ向けて出荷され、北九州市にある現在の日本製鉄九州製鉄所八幡地区(当時:八幡製鉄(株)八幡製鉄所)に送られたことに始まる、長い協働の歴史を有しています。両社は、これまでのパートナーシップを強化し、鉄のバリューチェーン全体の炭素排出を大幅に削減するという新たな領域へと広げていきます。

 

先ごろ日本政府が発表した2050年までにカーボンニュートラル社会を実現するというコミットメントは、日本の企業に脱炭素化への取り組みを加速させることに弾みを与えています。今回の両社のパートナーシップは、環境分野での日本の野心的な目標に沿うものとなると考えています。

 

このパートナーシップの目的は、鉄鉱石の採掘から製鉄までの鉄のバリューチェーン全体で脱炭素化に向けた技術を幅広く検討することです。そこには、リオティントの鉄鉱石処理技術と日本製鉄の製鉄技術を統合して炭素排出を低減した革新的な鉄鋼製造プロセスを確立することが含まれます。

 

鉄鋼業界のカーボンニュートラルへの移行が長期的かつ複雑であることを踏まえて、両社は長期的なパートナーシップの視点に立ち、世界の鉄鋼業がカーボンニュートラルに移行する上での新たな有望な技術を追求していきます。

 

リオティントの最高経営責任者であるジャン=セバスチャン・ジャックは次のように述べています。「リオティントの気候変動への取り組みにおける4本の柱のうちひとつは、お客様とパートナーを組みバリューチェーン全体で炭素排出を削減することです。当社にとって日本製鉄は長い歴史を持つ重要なパートナーです。今回、パートナーシップを深化させ、鉄のバリューチェーン全体で炭素排出削減に向けて共に取り組めるのを、たいへん嬉しく思います」。

 

日本製鉄代表取締役社長の橋本英二は、「日本製鉄は、脱炭素化という極めて高いビジョンの実現に向けて、2030年、2050年に向けた中長期のCO2削減シナリオについて検討をおこなっています。リオティントと当社はこれまで長く深い信頼関係を築いてきましたが、その信頼関係の上に新たなパートナーシップを開始できたことを嬉しく思います。当社が脱炭素化という極めて高いビジョンを実現する上での強力な“てこ”となることを確信しています」とコメントしています。

 

 

(右: リオティント ストラテジー・アンド・デベロップメント グループエグゼクティブ ピーター・トス、

左: 日本製鉄株式会社 常務執行役員 鈴木英夫)

 

 

リオティントについて

 

リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場するRio Tinto plcとオーストラリア証券取引所に上場するRio Tinto Limitedからなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして、探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とするリオティントの主要な生産品目としては、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、ウラン、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩など)が挙げられ、人類の進歩に必要不可欠な製品を供給しています。豪州と北米を重要なビジネス拠点とする一方で事業活動は世界にまたがり、南米からアジア、欧州、アフリカにおよびます。4つのプロダクトグループ(アルミニウム、銅&ダイヤモンド、エネルギー&ミネラルズ、鉄鉱石)に加えて成長イノベーション部門とコマーシャル部門が、横断的かつ補完的に役割を果たす組織編制になっています。

 

リオティントの気候変動への取り組みは20年以上前から続いています。2018年に石炭事業の売却を完了し、世界の大手鉱山会社の中では唯一、石炭鉱山を保有しない企業となりました。現在当社の事業全体で使用される電力の76%が低炭素の再生可能エネルギー由来のものです。

 

今年には、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという新しい目標を定めました。温室効果ガスの排出量を過去10年間で30%減らしてきたことに加え、これからの10年間で排出絶対量を15%、2030年までに排出原単位を30%削減します。

 

バリューチェーン全体の排出量を削減するためにはパートナーシップが戦略上不可欠だと当社は考えています。2018年、アップル社、カナダ政府、ケベック州政府の支援を受け、アルコア社と先駆的な新技術のパートナーシップである合弁事業エリシスを発表し、二酸化炭素を排出しないアルミニウムの新しい製錬法を開発しています。この技術は業界で初めてのものです。

 

リオティントはアルミニウム・スチュワードシップ・イニシアチブ(ASI)の創設メンバーで、顧客や幅広いステークホルダーとともにアルミニウム業界の責任ある生産基準を支持しています。2018 年にはオーストラリアのゴーブ・ボーキサイト鉱山から、カナダのケベック州にあるアルミナ製錬所、アルミニウム製錬所・鋳造工場にまたがる責任あるアルミの認証の連鎖を通じ、ASIアルミニウムを市場に供給する世界で最初の企業となりました。2019年にはブリティッシュコロンビア州での事業を追加しました。

 

2019年には中国最大の製鉄会社である中国宝鋼有限公司と同国で最も権威と影響力のある大学のひとつ清華大学と、鉄のバリューチェーン全体で炭素排出を削減し、また、環境パフォーマンスを向上する新しい方法を開発するためのパートナーシップを締結しました。

リオティントと日本について

 

日本はリオティントにとって最も重要かつ長期にわたる取引パートナーのひとつです。当社の鉄鉱石ビジネスは 1960 年代に日本の製鉄会社による長期の購入契約を背景に発展を遂げ、日本の高度経済成長期を良質 な原料資材の安定供給で支えてきました。リオティントは今日も日本に対する鉄鉱石の最大のサプライヤーであり、これまで50 余年にわたり 19 億トン以上を出荷。また、金属・鉱物資源においても、日本最大のサプライヤーのひとつとして250 社を超える日本の顧客企業へアルミニウム、銅、モリブデン、ダイヤモンド、ウラン、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩等)を輸出しています。さらに、日本企業は当社の大切なパートナーとして世界中の合弁事業やバリューチェーン、技術革新に欠かせない存在です。

 

 

日本製鉄について

 

日本製鉄は、日本最大手、世界でもトップクラスの鉄鋼メーカーです。日本国内の6つの製鉄所ならびに世界15カ国以上に製造拠点を有し、自動車用、資源・エネルギー用、インフラ用を始めとする高付加価鉄鋼製品を製造しています。また、国内3カ所に大規模な研究開発センターが存在する他、各製鉄所には技術研究部が設置されており、研究開発センターの研究成果を活かしながら、製造現場に密着した設備の改善、お客様と密着した商品開発等で、高度な技術の実践的活用を可能とする体制がとられています。

 

日本製鉄グループは、製鉄、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4事業を有しており、売上の9割近くが製鉄事業となっています。製鉄事業から派生した3つの事業セグメントは、製鉄事業を支え、シナジーを生み出すとともに、そこで培われた技術・製品・サービスにより、グループ外への事業を営んでいます。

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献するとともに、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の目標実現を推進していきます。

 

 

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