リオティント 2021年度の業績を発表

2022/02/28

リオティントは、2021年度第の業績を発表しました。

 

リオティントのCEO、ヤコブ・スタウショーンは次のように述べています。「新型コロナウイルス感染症による混乱の長期化で事業環境が困難な中、ワールドクラスの資産の安全な運用と業績向上に、引き続き全社一丸となって取り組みました。工業生産の拡大による世界経済の回復に伴い、当社主要製品の価格が大幅に上昇しています。これにより、フリー・キャッシュフロー177億米ドル、税金と政府へのロイヤルティー総額130億米ドルを差し引いた後の特別項目調整後純利益214億米ドルという記録的な財務成績を達成できました。結果として1株あたり247米セントの特別配当を含め1株あたり1,040米セントという過去最高の額の配当が可能となりました。これは配当性向79%に相当します。当社は脱炭素社会で活躍するための新しい方向性を定め、新たな戦略として発表しました。当社のポートフォリオ状況は良好で、今後数十年にわたり根強い需要が見込まれる製品についての規律ある投資を目指しています。当社が掲げた目標は意欲的で達成までには数年かかるかもしれませんが、必ず成し遂げる決意のもと、そのための1歩をすでに踏み出しています。発表済みのモンゴルのオユトルゴイにおける合意を受けた坑内掘り操業の開始、アルゼンチンのリンコン・リチウムプロジェクト買収に関する拘束力のある合意などがそれです。すべてのステークホルダーと続けている会話や協力を前進、深化させるとともに、操業している地域それぞれで地元とのつながりを構築、強化してゆきます。このような活動を通して、株主の皆様へ魅力的な利益還元をおこなってポートフォリオの維持と成長に投資し、二酸化炭素排出のネットゼロ実現に向けてより広く社会へ貢献する歩みを継続してまいります」。

年末時点 2021年 2020年 対前年比
営業活動によるネット・キャッシュフロー(百万米ドル) 25,345 15,875 60%
有形固定資産と無形固定資産の取得(百万米ドル) 7,384 6,189 19%
フリー・キャッシュフロー1(百万米ドル) 17,664 9,407 88%
連結売上高(百万米ドル) 63,495 44,611 42%
特別項目を調整したEBITDA1(百万米ドル) 37,720 23,902 58%
リオティント株主に帰属する税引後当期純利益(百万米ドル) 21,094 9,769 116%
特別項目を調整した 1 株あたり利益1 (EPS)(米セント) 1,321 770 72%
1 株あたり普通配当(米セント) 793.0 464.0 71%
1株あたり特別配当(米セント) 247.0 93.0 166%
1 株あたり配当合計(米セント) 1,040.0 557.0 87%
現金額/(負債)1(百万米ドル) 1,576 (664)
使用資本利益率(ROCE)1 44% 27%

 

  • 安全は引き続き当社の最優先事項です。当社の直接操業管轄下にある事業では死亡事故数は3年連続でゼロとなりました。全労災発生率はわずかに増加して40となりました。新型コロナウイルス感染症に起因する疲弊、労働力不足その他の問題から日常業務での安全リスクが高まっており、油断のできない状況です。
  • 2022年2月1日、当社の就業文化に関する包括的な第三者による調査の結果を公表しました。調査は世界中の事業拠点で文化面の変革を持続的に進める努力の一環として実施したもので、職場での有害行動を把握、対処し、今後の発生を防止するために2021年3月に社内に設置した「エブリデイ・リスペクト」タスクフォースが進める取り組みのひとつです。当社はこの報告書の勧告項目のすべてを実行することにしています。
  • 世界中の操業拠点で伝統的土地所有者との関係を再構築することに引き続き注力します。9月にはコミュニティーと社会に関する取り組みの進捗状況を示す中間報告書を発表しました。2021年末時点でプートゥ・クンティ・クラマ・アンド・ピニクラ(PKKP)のリーダーとリオティント鉄鉱石部門との関係は建設的で熟慮を重ねたものになっています。ユーカン渓谷の破壊後の土地の共同管理というアプローチ、そして適切な是正措置に関する合意は大きく進展しています。
  • 2022年2月14日、共同開発した新しい管理計画に関するインハワンカ・アボリジニ・コーポレーションとの合意を発表しました。これは西オーストラリア州ピルバラ地区にあるウェスタン・レンジ鉄鉱石プロジェクトの開発計画の一環として重要な社会的、文化的遺産の価値を確実に保護するためのものです。社会文化遺産管理計画(Social, Cultural Heritage Management Plan)は現地訪問(”on-Country” visits)、考古学、人類学的調査とワークショップなどインハワンカの人々とリオティントのこの1年間の緊密な協力の成果です。結果としてこの鉱山は、社会的、文化的遺産の価値に対する影響を低減するよう設計されました。2022年2月1日、グレーター・パラバドゥー鉄鉱石ハブに関する当社の提案の一環として同計画を西オーストラリア州環境保護局に提出しました。
  • 10月、当社が脱炭素社会において繁栄し、株主還元方針に沿い魅力的な株主配当を継続するための、より長期的な戦略も発表しました。これらを達成するために、実現の鍵となる目標、つまり最高の操業者になること、卓越した開発投資をおこなうこと、ESG(環境・社会・ガバナンス)について非の打ちどころのない取り組みをおこなうこと、社会的な事業ライセンスを強化することを通じて自社の脱炭素化を加速し、世界のエネルギー転換を実現する材料の分野で成長し、顧客の脱炭素化に役立つ製品とサービスを開発します。
  • 当社の戦略を実現するため、スコープ1と2の二酸化炭素排出量を2030年までに50%削減し(以前の目標の3倍以上)、15%削減の達成を2025年に繰り上げる(以前は2030年)という新しい目標を設定しましたが、それらの達成に向けて2022年から2030年の間に75億米ドルの直接投資を見込んでいます。これらのプロジェクトは上下幅のある経済的成果を生み出しますが、総体的に見るとカーボンプライスの控え目な上昇に応じて価値が増加してゆくといえます。最も重要な効果としては、長期にわたり当社の資産の健全性を守り、キャッシュフローのリスク特性を低減させるということがあります。ピルバラ地区での活動を加速するとともに、風力発電と太陽光発電のための用地保有を拡大しています。
  • モンゴルにあるオユトルゴイの銅・金プロジェクトでは、2022年1月25日発表の包括的合意を受けて坑内掘り操業が始まっています。この合意によりプロジェクトが進展、パートナー間の関係を再構築し鉱山の最も重要な部分の再開が見込まれます。最初の持続可能な生産は2023年前半の予定です。
  • 2021年、当社の厳格な資本配分方針に沿ってバッテリー・ミネラルのポートフォリオを大きく進展させ、アルゼンチンのリンコン・リチウムプロジェクトを買収するという拘束力ある契約を締結しました。また、セルビアのヤダーのリチウム・ホウ酸プロジェクトについて、関連するすべての承認、許可、ライセンス取得を条件として資金提供を約束しました。しかし2022年1月、セルビア政府はヤダー・プロジェクトにかかわる国土計画を破棄し関連するすべての許可を無効にすることを求めました。当社はこの発表に失望しており、あらゆる選択肢の検討と同決定の法的根拠、セルビアでの当社の活動と従業員への影響などの精査をおこなっています。
  • 最高の操業者になるという目標を達成するため、5カ所のパイロットサイトでリオティント・セーフ・プロダクション・システムを導入しました。これは持続可能な形でシステムの能力を引き出すことに重点を置いたものです。ケネコット鉱山の選鉱工場で著しい改善が見られるなど、7月の導入開始以降すでに成果が得られています。2022年には大規模なプログラムを計画しており、新型コロナウイルスにによる制約次第ですが15カ所で最大30件導入するとともに、ボトルネックを対象とした急速改善プロジェクトを最大80件実施する予定です。

 

  1. これら指標は事業評価のため当社経営陣により内部的に使用される非GAAP代替業績指標(「APM」)です。読者にとって有用と判断し当社グループの事業の基調的な業績をより明確化するために提載しています。当社の財務報告は、国際財務報告基準(IFRS)に従って作成しています。

 

リオティントについて

リオティントは、ロンドンとニューヨークの証券取引所に上場する  Rio Tinto plc  とオーストラリア証券取引所に上場する Rio Tinto Limited からなる二元上場会社で、英国に本社を置いています。国際的大手鉱業グループとして探鉱、鉱業と鉱物資源の加工を主たる事業とし、鉄鉱石、アルミニウム、銅、ダイヤモンド、金、産業用鉱産物(ホウ砂、酸化チタン、塩他)など、人類の進歩に必要不可欠な製品を供給しています。オーストラリアと北米を重要な拠点とし、南米、アジア、欧州、アフリカなど世界で事業をおこなっています。日本はリオティントにとって最も重要で長期にわたる取引パートナーのひとつです。

 

 

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