未来の低炭素社会実現のために世界に必要な5つのもの 風、日光、水 ー 再生可能エネルギーを利用するために必要なこの他の資源とは?

2022/02/08

現代の暮らし。人々の身の回りの多くのものに、リオティントが生産した金属や鉱物がいくらか含まれています。

たくさん含まれているものもあります。

 

風力、太陽光、バッテリーなどのクリーン・エネルギー技術を見てみましょう。どの技術を利用するにも、大量の鉱物と金属が必要です。世界銀行によると、クリーン・エネルギーがより広く使われるようになれば(国際エネルギー機関は、世界全体の再生可能エネルギーによる発電量が2023年までに46%増加すると予想)、鉱物の需要は今後著しく高まるということです。

 

低炭素世界での使用増加が予想される5種類の鉱物や金属を紹介しましょう。

1.銅

は非貴金属のうち最も優れた熱伝導性、導電性を備えています。そのため住宅の電気配線から風力タービンのような再生可能エネルギー源まであらゆるものに使われています。また、効率性の向上に有効なことから、銅は持続可能な未来の社会で重要な役割を担うと期待されます。スマート・テクノロジーや交通機関の電化に、広く使用されています。電気自動車は、従来型の内燃機関の車に比べて約4~6倍も多くの銅を使用しています。

2.リチウム

電気自動車から送配電網まで、未来の低炭素社会では今より大きなバッテリーが大量に必要となるでしょう。それは、バッテリー技術に欠かせない材料であるリチウムなどの鉱物も大量に必要となるということ。世界銀行によると、クリーン・エネルギー技術向けの供給のため、リチウムの世界全体の需要は2050年までに965%増加すると予想されています。

風力タービンの構造とは?

ロンドン・アイ*と同じ高さを誇る3メガワットの風力タービンには、4.7トンの銅、3トンのアルミニウム、335トンの鉄鋼、1,200トンのコンクリートが使用されています。(*イギリス・ロンドンにある巨大観覧車)

気候変動対応型鉱業とは?

リオティントは、気候変動問題への取り組みをサポートするソリューションとなりたいと考えています。そのため、世界銀行の気候変動対応型鉱業のためのファシリティーにいち早く参加しました。気候変動対応型鉱業は、環境や気候に影響を与える炭素排出を最小限にするだけでなく、持続可能な鉱業やクリーン・エネルギー技術に必要な鉱物や金属の加工をサポートします。

 

同ファシリティは採掘事業への再生可能エネルギーの導入、持続可能な土地使用習慣のサポート、鉱山施設の転用、鉱物のリサイクルなどのプロジェクトへ資金を提供します。また、気候変動対応型鉱業の習慣を促進する確固たるポリシー、規制、法的枠組みを政府が構築する支援もおこなう予定です。

3.アルミニウム

アルミニウムは軽くて丈夫で、エネルギー効率の優れた交通機関への使用に適しています。多くのアルミニウムを使う自動車のライフサイクルを通した炭素排出は、基本となるモデルの車のそれに比べて17%低く抑えられます。また、アルミニウムは最もエネルギー効率の優れた持続可能な建築資材のひとつとしても知られています。アルミニウムの建築資材は耐食性があって長持ち。それに、50~85%のリサイクル・アルミが含まれています。光の反射や断熱性という特徴もエネルギー効率向上に貢献しています。

4.ホウ酸塩

ホウ酸塩って聞いたことがありませんか?ここで紹介します。スマートフォンやコンピューターの画面から、世界の人々のため食糧を育てる農業用肥料まで、ホウ酸塩はあらゆるものに使われています。また、家の中を冬は暖かく夏は涼しく保つ建築用断熱材にも必要なホウ酸塩は使用電気量の削減にも役立ちます。

当社自身の排出量削減

世界で必要とされる鉱物や金属を採掘し加工するには多くのエネルギーが必要です。

リオティントは2008年以降約30%の排出原単位を削減し、事業全体で使用する電力の71%を炭素排出の少ない再生可能エネルギーでまかなっています。また大手鉱業会社の中で唯一、事業のポートフォリオに化石燃料を持たない企業です。

しかし、2050年までに当社の事業を持続可能な方法で脱炭素化するという目標達成のためには、まだまだ多くのことをおこなう必要があります。そのため、再生可能エネルギーからイノベーション技術まで、炭素排出削減の方法を常に探しています。

アルミニウム事業においては、アルミニウム製錬プロセスで排出される温室効果ガス削減のさらなる技術を開発するため、アップル、カナダ連邦政府、ケベック州政府の支援を受け、アルコアと画期的なパートナーシップ、エリシスを開始しました。

米国のケネコット銅事業において、石炭火力発電所を閉鎖して再生可能エネルギーへと移行した結果、年間炭素排出が65%削減されました。これは100万トンを超えるCO2に匹敵します。

5.チタン

当社の酸化チタン事業は、航空宇宙業界で使用する3Dプリント向けに低コスト金属粉の開発に取り組んでいます。3Dプリントによって金属成型の必要がなくなり、エネルギーと廃棄物の削減が可能です。

 

(※ 記事中の組織名等は記事作成当時のものです)