Aluminiumアルミニウム
軽量で何度でもリサイクルが可能なアルミニウムは、ジェット・エンジンから
電気自動車、携帯電話まであらゆるものに使用されています。
地球の地殻に存在する中で最も豊富な金属であり、
世界で最も急速に使用が拡大している主要金属のひとつです。
軽量で何度でもリサイクルが可能なアルミニウムは、ジェット・エンジンから
電気自動車、携帯電話まであらゆるものに使用されています。
地球の地殻に存在する中で最も豊富な金属であり、
世界で最も急速に使用が拡大している主要金属のひとつです。
しかし、アルミニウムの可能性について見えているのはまだ一部にすぎません。北米で乗用車やトラックに使われている1台あたりのアルミニウムの量は、2015年の177kgから2025年には227kgへ約30%増加すると予測されています。アルミニウム・スチュワードシップ・イニシアチブ(ASI)によると、車両の重量が10%減少するごとに、燃費が約7%向上します。乗用車やピックアップ・トラック等に使われる重い材料をアルミニウムに置き換えると、その耐用期間を通じてアルミニウム1kgにつき20kgの二酸化炭素排出量を削減できます。
アルミニウムはアルミニウム鉱石であるボーキサイトから作られます。ボーキサイトはアルミナに精製される基本原料で、アルミナは製錬所へ送られてアルミニウムに加工されます。
1821年に南フランスのレ・ボー近くで発見されたボーキサイト(bauxite)は当初「beauxite」と表記されました。1886年、チャールズ・マーティン・ホールとポール・エルーはそれぞれ独自にアルミナからアルミニウムを作り出すプロセスを開発しました。翌1887年にオーストリアの科学者カール・ヨゼフ・バイエルがボーキサイトからアルミナを抽出するプロセスを考案し、自分の名を冠して特許を取得しました。こんにちではバイヤー法とホール・エルー法を組み合せてボーキサイト鉱石からアルミナを抽出したのち、アルミニウムに製錬しています。
リオティントはアルミニウム業界の世界的なリーダーで、大規模で垂直統合型の事業を展開しています。これには、ボーキサイト鉱山とアルミナ精製所のほか、「責任ある」事業と認められたアルミニウムの製錬所が含まれます。高品質なボーキサイトの国際海上貿易から、持続可能な方法で供給される飲料容器用のアルミニウム、または自動車業界向けの新たな軽量合金まで、プロセス全体を一貫して管理することで、高品質な商品を確実かつ効率的にお客様へ届けることができます。当社がカナダで運営するオペレーションは、平均すると業界のコスト・カーブの上位10%以内に入り、クリーンで再生可能な水力発電を利用してアルミニウムを生産しています。
当社は、世界最高レベルの品質で、かつ二酸化炭素排出量が少ないアルミニウムを生産しています。当社が管理するアトランティック・オペレーションの製錬所では、温室効果ガスの排出量が業界平均の5分の1未満となっています。アルコアとの合弁会社でありアップル社とカナダ政府、ケベック州政府の支援を受ける事業エリシスを通じて、温室効果ガスの直接排出のない画期的なアルミニウム製錬技術の開発を支援しています。
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責任あるアルミニウム生産のための「START」
消費者は、購入した商品がどこでどのように生産されたかを詳しく知りたいと考えます。リオティントのお客様がその消費者の要望に応えるのを支援すべく、アルミニウム業界で初のデジタル化されたサステナビリティー表示「スタート(START)」を開始しました。
ブロックチェーン技術を用いた「スタート」はアルミニウムにとっての「栄養成分表示」のようなものです。サプライチェーン全体を通じて透明性とトレーサビリティーを確保し、最終消費者は10項目の基準(製造過程で排出された炭素量、水の使用量、リサイクル比率など)について、環境面、社会面、ガバナンス面の情報を確認できます。
また、鉱山から市場に出るまでのアルミニウム生産過程を表示することで、当社のお客様とその消費者はより持続可能な選択をすることができます。 -
ELYSIS™
2018年、リオティントは、アップルとカナダおよびケベック州政府の支援を受け、アルコアとのパートナーシップであるELYSIS™を立ち上げました。ELYSISは、アルミ製錬工程で温室効果ガスを直接排出せず、酸素のみを放出して金属生産を可能にする画期的な技術をさらに進めています。カナダ国内のすべての製錬所でこの技術が使用された場合、650万トン相当の温室効果ガスが削減されることになり、これは約180万台の自動車が道路からなくなることに相当します。
ELYSISは、リオティントのコンプレックス・ジョンキエール内にある研究開発センターで、この技術の開発を行っています。450キロアンペア(kA)の商業規模での不活性陽極技術の実装実験のために、ケベック州サグネ・ラック・サン・ジャンにある当社のアルマ製錬所が選ばれました。
2021年11月、ELYSISは研究開発センターにおいて、現在市場で広く使用されている小型の電解炉と同等のサイズで、温室効果ガスを直接排出しないアルミニウムの生産に成功しました。
2022年3月、アップルは、ELYSISの研究開発センターで生産された市場で流通している規格を満たす純度のアルミニウムの最初のバッチを購入し、新しいiPhone SEを製造することを発表しました。
また、消費者に対して飲料缶のトレーサビリティーを示すための一歩として、2022年6月にはコロナ・カナダと提携し、ボール社が生産するカナダ初の特別なESG表示付き低炭素缶入りのコロナビールを発売しました。オンタリオ州で試験的に販売されたこの缶は、ELYSISの技術が活用されたリオティントのアルミニウムが使用されています120万個のスケールで販売されたコロナビールの缶にはQRコードが印刷されており、消費者にこの缶の取り組みについてより詳しく知ってもらうことができます。
現在、ELYSIS技術をさらに成熟させるため、2024年に実用を目指し、実装する電解炉サイズの大型化に取り組んでいます。これらの試験炉は、リオティントのアルマ製錬所の既存の生産ラインの一部で現在順調に建設が進んでいます。 -
最初の責任あるアルミニウム
現在、オーストラリアにある当社のゴーブ・ボーキサイト鉱山から、カナダのケベック、ブリティッシュ・コロンビア両州にあるアルミナ精製所やアルミニウム製錬所、鋳造工場を結ぶ「生産物流管理」システムを通じ、カナダにあるすべての事業所からアルミニウム・スチュワードシップ・イニシアチブ(ASI)認定アルミニウムを供給しています。
ASIはアルミニウム産業全体を通じて持続可能性と透明性を作り上げることを目指しています。責任ある調達の実現を目的として、アルミニウムのサプライチェーン全体での環境、社会、ガバナンス面の慣行を評価するために、世界初のグローバルな「責任あるアルミニウム基準」を開発しました。これはアルミニウムの生産、使用、そしてリサイクルに至るライフサイクル全体における健全な慣行についての国際的に認められた最高の基準です。
ASIの認定は、航空機部品、自動車、スマートフォンやその他の製品を製造するために使用されるアルミニウムという金属が、生物多様性の保護、先住民の権利の尊重、水の管理、低炭素排出を促進する基準に準拠して生産されていることを独自に保証するものです。ASIはまた、工業用金属に関するものとしては初めてのトレーサビリティー・メカニズムも作りあげており、ABインベブなどの企業は購入するアルミニウムがプロセスのあらゆる段階でASI標準を満たすように製造されていることを確認できます。
アルミニウム・スチュワードシップ・イニシアチブ(ASI)認定アルミニウムを使用することは、世界で2番目に多く使用されているこの金属が地球に与える負の影響を減らすための重要な一歩です。