Copper銅
こんにち銅は調理器具、水道管や車のラジエーターなどに使われています。またコンピューターやスマートフォン、電子機器、電化製品、建築物でも重要な役割を果たしています。
低炭素経済への移行においても、銅はまちがいなく重要な役割を果たします。1メガワットの風力タービン1基には3トンの銅が使われています。また、電気自動車の銅使用率は従来型の自動車の3~4倍にのぼります。これら電動化と再生可能エネルギーへの要求の高まりにより、世界的な銅の需要は年1.5~2.5%増加すると見込まれています。
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なぜ銅は身近な存在に思えるのか
銅は多くの重要な用途に使われています。中でも、難聴の人が初めて音を聞くのを助けるという、とても大切な仕事もしています。多くの補聴器の内部には小さなアンテナがあり、そこに銅が使われているのです。さらに銅には抗菌作用もあり、細菌を寄せ付けません。
銅は熱伝導性と電導性において地球上で最も優れた非貴金属です。住宅の電気配線から風力タービンのような再生可能エネルギー源まで、あらゆるものに使われています。また、効率性向上に有効なため、未来の持続可能な社会で重要な役割を担うことになるでしょう。 -
リオティントの銅
当社が最初に手がけた鉱山はスペイン・アンダルシア州を流れるリオティント川沿いにある銅鉱山で、1873年にスコットランド人起業家ヒュー・マセソンが率いるイギリス、ヨーロッパの投資家グループが買い取ったものです。
現在当社が世界中で展開している銅事業は、探査からリハビリテーションまで、鉱山のライフサイクルのさまざまな段階にあります。各事業拠点では最先端の技術を駆使し、安全で効率的、かつ生産性の高い方法によって銅の採掘、選鉱、精錬をおこない、中国、日本、アメリカへ輸出しています。
モンゴルのゴビ砂漠南部に位置するオユトルゴイは、世界有数の銅と金の鉱床として知られています。地下鉱山が完成すれば世界第4位の銅鉱山になる見込みです。
当社のケネコット銅鉱山はアメリカのユタ州ソルトレークシティーの郊外に位置する世界クラスの製錬鉱山一体操業銅事業です。この鉱山での銅採掘事業では副産物として金や銀が産出します。操業開始から75年後の2019年、ケネコットではユタ州マグナの石炭火力発電所の運転を停止しました。代わりにロッキー・マウンテン・パワー社から主に風力と太陽光でまかなわれた再生可能エネルギー証明付き電力を購入しています。
石炭火力発電所の運転を停止し再生可能エネルギーを調達するようになったことで、ケネコットのワサッチ・フロント事業部では二酸化炭素の排出が毎年100万トン以上削減され、年間排出量が最大65%減となりました。この再生可能エネルギー認証プログラムは、Green-e Energy認証を受けており、Center for Resource Solutionsが設定した環境および消費者保護に関する基準を満たしています。
2020年に、ケネコットとオユトルゴイの2ヵ所の鉱山は、生産拠点として初めてカッパー・マークの認証を受けました。カッパー・マークとは銅産業で新しく独自に設立した「責任ある生産」のためのプログラムです。国連の持続可能な開発目標に沿って設立されたカッパー・マークの認証に先立ち、ケネコットとオユトルゴイの銅鉱山は環境、地域社会、事業と人権、労働と労働条件とガバナンスなど、32項目の基準で評価を受けました。
アメリカでのレゾリューション・カッパー・プロジェクトで、先住民と鉱業に関する国際金属・鉱業評議会(ICMM)声明に沿ってプロジェクを進めることへの同意を求めるため、当社は現在のステークホルダー・エンゲージメントを継続します。
当社はまた2020年に、西オーストラリア州ウィヌの新規鉱床について、銅・金のプロジェクトでいずれは大規模オペレーションになる可能性を秘めていると発表しました。