Titanium Dioxide酸化チタン
宇宙空間のようにごく低温の環境や航空機エンジンのように超高温の環境で正しく働く金属が必要なとき、強度が高く軽いチタンはその用途に適した唯一の金属といえるでしょう。同じ理由でチタンは股や膝の人工関節や高級ジュエリー、ゴルフクラブにも使われています。
1791年、英国の化学者、鉱物学者であるウィリアム・グレゴールはチタンと酸素の化合物を発見し、その新しい元素を「グレゴライト」と名付けました。4年後、ドイツの化学者マルティン・ハインリッヒ・クラプロートは同じ物質を独自に発見し、ギリシャ神話の「タイタン」にちなんでチタンと名付けました。
こんにち二酸化チタンは塗料から布、紙まで幅広い製品を漂白するのに使われています。白さを生むのは酸化チタンが紫外線を吸収し光の96%を反射するためです。これが、白色の壁をさらに白くし、日焼け止めに効果がある理由です。
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リオティントのチタンと酸化チタン
酸化チタンは白色の化合物で塗料、プラスチック、紙を作る際に色素として使われます。歯磨き粉や日焼け止め、化粧品製造にも用いられています。
当社が生産するチタンの大半は自動車産業向けで、複雑な機械部品の製造に使用されています。製錬され金属に加工されたチタンは軽く、弾力性があり、耐食性に優れています。シートやバルブ・ガイドのほか、シンクロ・ハブや各種機械装置などの精密部品の製造にも使われています。軽量なため、燃費を向上させ環境への影響を抑えて、飛行機や自動車の移動距離を伸ばすことが可能です。
カナダのケベック州にある設立から70年が経つリオティント・アイアン・アンド・チタニウム(RTIT)ケベックオペレーションは、イルメナイトから鉄とチタンを除去するプロセスを開発しました。ケベック州東部のRTITアーヴル・サン・ピエール鉱山には、世界最大のイルメナイト鉱床があります。ここで産出したイルメナイトは、鉄とチタンを抽出するためにモントリオールから1時間ほどのところにあるソレル・トレーシー冶金処理複合施設へと運ばれます。アメリカンフットボールの競技場100個分に相当する広大なこの複合施設は技術センターも備えています。
南アフリカでは、1976年に設立されたリチャード・ベイ・ミネラルズが今では世界有数の重鉱物砂の抽出・精製企業、同国最大の鉱物砂生産者となっています。リチャード・ベイ・ミネラルズはクワズール・ナタール州北部に広がる鉱物資源に富んだ広大な砂丘地帯で採掘をおこない、主にルチルやジルコン、チタン・スラグ、高純度鉄を生産しています。
QITマダガスカル・ミネラルズ(QMM)はマダガスカル島南東部のアノシー地域にあるフォール・ドーファンの近隣地区で、イルメナイトとルチル、ジルコンを生産しています。QMMは酸化チタンに加工するため原料を、エホアラ港からカナダにあるリオティントのフェル・エ・チタン事業所へ送り出しています。QMMはリオティント(80%)とマダガスカル政府(20%)の合弁会社です。