Sustainability Update / Oct-Dec 2022
2023/01/15
カナダにおける脱炭素化への取組み リオティント発表(英語)
リオティントグループはカナダ政府とパートナーシップを組み、リオティント・フェル・エ・チタン(Rio Tinto Fer et Titane, RTFT)事業の脱炭素化を目指し、今後8年間で最大5億3,700万米ドルを投資し、以下プロジェクトを推進します。
- BlueSmeltingプロジェクト:RTFTの現在の還元プロセスよりも温室効果ガスの排出を95%削減できるイルメナイト製錬技術で、二酸化炭素排出量を大幅に削減した高品位の二酸化チタン原料、鉄鋼、金属粉の生産に取組みます。 ケベック州ソレルトレーシーのRTFT冶金工場に年間最大40,000トンのイルメナイト鉱石を処理する能力を有するデモプラントを建設中です。同プラントは2023年前半の操業開始を目指しています。
- スカンジウムの増産:二酸化チタンの生産過程で発生する廃棄物から高純度の酸化スカンジウムを抽出する革新的なプロセスを採用した商業規模の実証プラントでは、その生産能力を現在の3トンから4倍の年間12トンに引き上げる計画を進めています。スカンジウムは個体酸化物形燃料電池(SOFC)やアルミ合金に使用されるクリティカルミネラル(重要鉱物)です
- チタン金属をポートフォリオに追加:同業他社と協力し多くの産業で使用される高性能材料であるチタン金属の抽出、精製のための新しいプロセスを開発し、2023年末までにチタン金属の実証プラントの建設を目指します。同プロセスは低コストでありながら有害化学物質を使用せず、温室効果ガスも直接排出しません。
カナダのリチウム濃縮実証プラント操業開始 リオティント発表(英語)
RTFTではバッテリー向けリチウムの原料となるスポジュメン(リシア輝石)精鉱の実証プラントでの生産を開始しました。
同プラントは化学製品を使用せず、乾燥した不活性残渣のみが発生することから環境にやさしく、また、業界平均を大きく上回る品位の酸化リチウムの回収を実現するスポジュメン濃縮プロセスを実証することが期待されます。
※リオティント・フェル・エ・チタンについては酸化チタン – リオティントジャパン (riotintojapan.com)をご参照ください。
リオティントの BioIron™ プロセスによる低炭素製鉄の有効性を証明 リオティント発表(英語)
リオティントは、ドイツの小規模パイロットプラントで、オーストラリアの自社鉱山から産出される鉄鉱石を用いた低炭素製鉄プロセスの有効性を実証しました。
BioIron™と呼ばれるこのプロセスは、製鉄プロセスにおいてピルバラ鉄鉱石を金属鉄にするために、還元剤として原料炭の代わりに農業副産物などのリグノセルロース系バイオマスを使用します。バイオマスは鉄鉱石と混合され、放出される燃焼ガスと再生可能エネルギーで駆動する高効率のマイクロ波を組み合わせて加熱することにより、CO2の排出がゼロに近い製鉄工程を実現することを目指します。今後は1時間当たり1トンの処理能力を持つ特別設計の連続パイロットプラントで、より大規模な実証試験を行う予定です。
Sustainability Updateに関するお問い合わせ:RTJenquiries@riotinto.com