Sustainability Update / Jul-Aug 2023

2023/09/01

リオティントと住友商事、低炭素アルミナ精製プロセスを実証するグラッドストン水素パイロットプラント建設に合意 リオティント発表

リオティントは、住友商事とオーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)との提携により、オーストラリア、クイーンズランド州のグラッドストンに位置するヤーワン・アルミナ精製所内に、2.5MWの水素製造パイロットプラントを建設することを発表しました。このプログラムにより、アルミナ精製プロセスの煆焼工程において、従来の天然ガスの代替として水素が利用できることを実証できます。具体的には、同精製所内に水素プラントを建設、また既存の4基の煆焼炉のうち1基を水素バーナーで運転できるように改良し、環境に優しいグリーン水素の有効活用を推進します。この取り組みが成功し、同精製所全体がグリーン水素の使用に転換されると、年間50万トンのCO2排出削減が見込まれます。これは約10万9,000台の内燃エンジン自動車の排出量に相当します。水素プラントと煆焼炉は2024年に改良作業に着工し、2025年までに稼働する予定です。

 

 


 

リオティントとH2グリーン・スチール、グリーンスチールへの移行を加速するため提携リオティント発表

現在、鉄鋼の生産により排出されるCO2は全世界の排出量の約8%を占めています。しかし、グリーン水素を利用した電炉による鉄鋼生産への移行により、従来の石炭を使った高炉法に比べて最大95%のCO2排出削減が可能です。
リオティントと、スタートアップ企業のH2グリーン・スチールは、リオティントが操業するアイアン・オア・カンパニー・オブ・カナダ(IOC)の高品質な直接還元用鉄鉱石ペレットをH2グリーン・スチールに複数年にわたり供給する契約を締結しました。H2グリーン・スチールの主力工場では、これらのペレットをホット・ブリケティド・アイアン(HBI)に加工し、敷地内で製造されるグリーン水素を使用した電炉を通じて鉄を生産します。これにより、世界で初めてCO2排出量が少ない鉄の大規模生産が実現されます。同時に、リオティントはH2グリーン・スチールの余剰のHBIの一部を購入し販売することで、新興のグリーンスチール市場での鉄鋼製造の脱炭素化を推進する役割も果たす予定です。

 

 


 

リオティント、「センター・フォー・フューチャー・マテリアルズ」に1億5,000万ドルを拠出 (リオティント発表―英語

リオティントは、エネルギー転換に向けて世界が求める新しい素材の提供方法を模索するため、インペリアル・カレッジ・ロンドンの「センター・フォー・フューチャー・マテリアルズ」の創設を支援することを発表しました。「リオティント センター・フォー・フューチャー・マテリアルズ」は、重要な素材の生産、使用、リサイクルの方法を革新し、環境、経済、社会にとってより持続可能な方法に進化させるための研究プログラムに資金を提供します。同センターは2023年後半に設立され、2024年に最初の研究プログラムに資金が提供されます。拠出金の総額は、リオティントの設立150周年を記念して1億5,000万ドルとし、今後10年間にわたり年間1億5,000万ドルが拠出されます。

 

©Imperial College London/Thomas Angus